「医療現場での高齢者ケア」として大島郡医師会病院での取り組みが報告された、まーじんま例会
奄美市認知症の人と家族と支援者の会まーじんま(重井英二代表世話人)は今年度最後となる例会(3月例会)を21日、奄美市名瀬のAiAiひろばで開いた。認知症の高齢者など専門的に対応している医療機関から現場でのケア報告があり、特別ではなく「人間同士の付き合い」を根底にしたユマニチュードケアなどが発表された。
「皆さんに役立つ情報を提供したい」(重井世話人)として企画。発表したのは大島郡医師会病院看護部長の森晃代さん、同在宅医療連携支援センターコーディネーターの冨川利香さん。
同病院の現在の病床数は159床だが、森さんによると、療養施設としての機能だけでなく回復期リハビリ病棟(48床)や介護医療院(18床)も開設され、リハビリ患者が増加しているという。認知症など高齢者ケアではフランス生まれのユマニチュードケアを紹介。①見つめる②話し掛ける③触れる④立つ(立つ時間をつくる)―を挙げ、「大切に思っている」というメッセージを伝えることが大事とした。
認知症支援では三つの「はい」(驚かせない・急がせない・自尊心を傷つけない)、さらに「尊重する」「関心をする」の二つの取り組みを説明し、「簡単のようで意外とできない」。同病院で進められている認知症ケア委員、同サポート委員の取り組みも担当している看護師が報告した。
同病院では2013年に在宅医療連携支援センターを開設したが、冨川さんはキャッチフレーズにしている「エイジング・イン・プレイス(高齢者が住み慣れた地域で最期まで暮らし続けること)の実現を目指して」を発表。この理念を共有した上で、在宅医療を十分に展開する条件としては▽行政(市町村・県)と医師会と基幹病院ががっちりとスクラムを組む▽各職種が顔の見える関係を築く▽お互いに切磋琢磨(せっさたくま)し専門性を深める場(研修・事例検討)を作る―を挙げた。
冨川さんは「高齢者が地域で暮らし続けるには介護状態にならない予防(健康教室など)、重い病気や認知症になっても地域で支えると二つに分かれる。地域で支えるには機関・職種の枠を越えた体制を作り、それぞれが協力していかなければならない」と説明。良質な医療ケアや介護が受けられる地域住民が増えるには「正しい情報が大切であり、専門職に遠慮せず聞いてほしい。その人らしさを保てるような医療介護の提供を地域と共に作り上げていきたい」と述べた。

