絶滅危惧外れる

絶滅危惧外れる

奄美大島の固有種オオトラツグミ(幼鳥)。生息域を南部から北部へ広げている(資料写真)
沖縄島への渡りが確認されているアマミヤマシギ(奄美野鳥の会提供)

オオトラツグミ、アマミヤマシギ
環境省レッドリスト

環境省はこのほど、日本の野生生物の絶滅危険度を評価した「第5次レッドリスト」(鳥類及びは虫類・両生類)を公表した。鳥類は108種(10種増)、は虫類・両生類は96種(12種増)が絶滅危惧種に指定された。奄美群島に生息する鳥類のアマミヤマシギ、オオトラツグミは、絶滅危惧Ⅱ類(VU)から1ランク下の準絶滅危惧(NT)となり、「絶滅危惧」から外れた。

同レッドリストは、日本の野生生物の絶滅危険度を科学的に評価し分類群ごとにまとめたもの。すでに絶滅した種や野生化で絶滅した種を除くと、危険度の高い順に絶滅危惧ⅠA類(CR)、同ⅠB類(EN)、同Ⅱ類までの3ランクを「絶滅危惧」と位置付け、保全対象としている。

奄美大島にのみ生息するオオトラツグミ、奄美群島から沖縄島で観察されるアマミヤマシギは、特定外来生物フイリマングースの排除(2024年9月根絶宣言)、森林域の大規模開発が行われなかったことによる資源の回復などにより生息数を増やしていることから引き下げられた。

第4次レッドリスト(2012年)でⅡ類に掲載されていたアカヒゲは、生息状況や個体数などの生物学的知見が十分に得られていない種を指す「情報不足(DD)」に変更された。サシバはⅡ類に据え置かれた。

は虫類は、奄美群島や沖縄島などに生息するオキナワトカゲ、オキナワキノボリトカゲが絶滅危惧から外れた。オビトカゲモドキ、両生類のオットンガエルはⅠB類からⅡ類に1ランク引き下げられた。

奄美野鳥の会の永井弓子会長は「当会は2種とも長年生息状況のモニタリングにかかわってきた。近年は、個体数の増加や分布の広がりを実感している。絶滅危惧種でなくなったことは、それだけ生息環境が良くなったことの証であり、大変喜ばしいことだと思う。奄美の固有種でもあり、大切な存在であることに変わりはない。今後も見守り続けていきたい」と話した。