徳之島、2季連続8強へ

【3回戦・鹿児島工―徳之島】2番手で好投した徳之島のエース長尾=平和リース

 

 

 

鹿児島工に逆転勝利
春高校野球第10日

 

 

 【鹿児島】第158回九州地区高校野球大会鹿児島県予選第10日は30日、鹿児島市の平和リース、スミゼイパーク(鴨池市民)、両球場で3回戦4試合があった。

 奄美勢のシード徳之島が鹿児島工と対戦。終盤のワンチャンスをモノにして3―2で逆転勝利し、4強入りした昨季に続いて2季連続の8強入りした。

 第11日は31日、平和リース場で準々決勝2試合がある。

試合結果は次の通り。
   =平和リース=
 ◇3回戦(第1試合)
徳之島
100000020 3
010100000 2
鹿児島工業
【徳】大澤、長尾―川畑
【鹿】平―中村
 ▽二塁打 濵﨑(鹿)
(徳)
30436535018
打安点振球犠盗併失残
32727242029
(鹿)

 【評】初回に二つのエラーで先制した徳之島だったが、二回に同点に追いつかれ、四回に勝ち越しを許す。五回からエース長尾がリリーフして、得点を与えなかった。打線は七回まで1安打と精彩を欠いたが、八回にようやく反撃。先頭の1番・竹下が中前打で出塁し、二盗、三盗を決め、2番・正岡の右前適時打で同点に追いつく。さらに一死二三塁と好機を広げ、5番・川畑の犠飛で勝ち越しに成功した。この1点を、エース長尾を中心に守り切った。

 30日の試合結果
【平和リース】②川内6―2国分中央
【鴨池市民】①鹿屋中央3―2鹿児島実業②鹿児島5―4鹿屋農業

 31日の試合
【平和リース】①鹿児島商業―鹿児島情報②鹿児島南―樟南

 

 

「勝ち切れるチーム」への成長に手応え
徳之島

 

【3回戦・鹿児島工―徳之島】8回表徳之島無死三塁、2番・正岡の右前適時打で三走・竹下が生還、2―2の同点に追いつく=平和リース

 

 

 「お前らしく、フルスイングすればいい!」

 1番・竹下遼は地頭所眞人監督のアドバイスで気持ちが楽になった。1点差を追いかける八回表の先頭打者の場面。ここまで無安打で、チームの「核弾頭」(地頭所監督)の仕事ができず、責任を感じていた。

 「足が速い分、転がそうとして手首を被せてしまう打撃になっていた」と地頭所監督。当てるよりも、投球の軌道に合わせて振り抜けば活路は開ける。指揮官のアドバイスで力みがとれた竹下は鮮やかに中前に弾き返した。先制した初回のように、塁に出さえすれば足を生かして、相手守備陣にプレッシャーをかけることができる。二盗、三盗と鮮やかに決め、同点のホームを踏んだ。チームはこのワンチャンスに畳みかけ、終盤で逆転に成功した。

 エース長尾を中心に粘り強く守って競り勝つ。4強入りした昨秋のように打ち勝つ展開をなかなか作れず苦しい戦いが続くが「こういう勝ち方もできた」(竹下)経験を今後につなげたい。

 力投が続くエース長尾涼は「地頭所監督に勝って恩返しがしたい」思いが原動力になっているという。この春で異動になった地頭所監督が、ベンチに入れるのはこの試合が最後だ。最後は九回裏二死一二塁、一打同点、逆転サヨナラもありえた場面だったが、130㌔の直球で左飛に打ちとって、2季連続の8強入りを決めた。

 初戦、3回戦とも今までなら負けていてもおかしくない展開でも「勝ち切れるチームになった」手応えを感じ、地頭所監督は新天地へ旅立つ。これから8強以上の更なる強豪が待ち受ける厳しい戦いになるが「優勝して地頭所監督に恩返しをする」(長尾)が徳之島の合言葉だ。
                              (政純一郎)