大島紬企画展控え、泥染め体験

大島紬の泥染めを体験する「きもの おお又」の社員(11日、奄美市名瀬の本場大島紬泥染公園)

大阪「きもの おお又」 「職人の思いを感じて」
顧客伴って来島

 1942年(昭和17年)創業の老舗呉服店「きもの おお又」(本社・大阪府、小寺啓之(ひろゆき)代表取締役社長)の本場大島紬産地研修が11~12日の日程で、奄美市名瀬の各所で始まった。社員7人が顧客7人を伴って来島。泥染め体験などを通して職人の思いを感じ、伝統文化の一端に触れた。

 同社は、大阪府や三重県の百貨店などに4店舗を展開。着物文化を次世代に伝えるため着付け教室を運営するなど、伝承活動にも力を入れている。

 今回の研修は、5月に大阪で開催予定の大島紬を特集した企画展を前に、知識の深化を図ることが目的。

 11日午前に空路奄美大島入りした一行は、同市名瀬にある織元「都成織物」を訪問、泥大島や絣(かすり)の反物を手にとって、精緻(せいち)な柄表現の技術を体感した。

 午後は、本場大島紬泥染公園内にある染色工場「野崎染色」(野崎徳和代表)で泥染めを体験。シャリンバイを煮出した染色液と定着液(石灰液)を何度も往復させ、最後に泥田で紬独自の「深い黒」を出す複雑な工程を学んだ。

 入社半年だという今野志穂さん(25)は「大島紬が緻密な作業で作られていることを体感し、貴重な経験になった。販売に生かしたい」と話した。

 小寺社長(62)は「催事(企画展)に向け、職人の思いを感じてほしかった。体験し学んだ内容を顧客に伝えることが着物を扱う者の使命」と語った。

 12日の研修は、同市名瀬にある織元「たけがわ織物」で、締機(しめばた)の工程などを視察予定。企画展「京阪きもの大市」は5月14~19日、大阪府守口市の京阪百貨店で開催。都成織物、たけがわ織物の新作作品も展示される。