サシバのまとまった渡りを求めて大阪からの来島者も参加した望楼台探鳥会
上昇気流を捉えて群れで旋回するサシバの様子も観察できた
NPO法人奄美野鳥の会(永井弓子会長)は12日、奄美大島北端となる奄美市笠利町佐仁の望楼台(ぼうろうだい)で探鳥会を開いた。奄美では冬鳥のサシバなど本土へ渡る北帰行を観察。天候に恵まれ上昇気流に乗って舞い上がり、群れで流れていくような移動が何度も見られた。
県道と市道笠利崎線の分岐点を集合場所に午前8時過ぎから開始。今回の探鳥会は同会の鳥飼久裕副会長が担当した。会員など20人が参加したが、探鳥会の情報を得て前日の11日に来島したのが大阪府高槻市の川本孟(たけし)さん(82)妙子さん(82)夫婦と、八部(やべ)保子さん(68)の3人。
川本さんらは猛禽(もうきん)類ハチクマから始まり、サシバ、ノスリとタカに魅せられて20年近く観察を続けていると言い、「秋の渡りはいろんな所で観察できるが、春の渡りの様子をまとまって観察できるのは奄美ぐらい。駆け付けたところ気持ちよく仲間に入れてもらえた」と喜びながら参加した。観察場所となった佐仁の望楼台(高崎山)は高台にあることから太平洋、東シナ海が一望でき、長雲峠(龍郷町)の稜線も見える見晴らしのよさを誇る。鳥飼副会長は「尾根は笠利崎灯台に通じる。この時期、渡り鳥の南から北への移動は、この辺を通ることが多い。奄美で冬を過ごしたサシバは繁殖地の東北地方や長野県などに移動するが、前日は約200羽を観察できた。春の渡りはかなりばらけるが、島嶼(とうしょ)部は観察ポイントが分かりやすく、まとめて見ることができる」と説明した。
当初はⅤ字形の群れを形成したサギ類の移動などが見られたが、雲が薄れ日差しが出、青空が広がり遠くまで見渡せるようになるとサシバの移動が鮮明になった。蒲生崎方面の上空では上昇気流を捉えたサシバが旋回しながら舞い上がる「タカ柱」が観察でき、空を流れるようなスピードで観察地も通り過ぎて北の方へ向かった。この日、珍しい「タカ柱」は「3回ぐらい観察」(鳥飼副会長)できたが、双眼鏡で観察し望遠レンズのカメラで写真も撮影した川本さんらは「次々と集団で舞い上がり、何百羽とたくさんのサシバを観察できた。春の渡りで、ここまでまとまった数を観察できのは初めて」と興奮ぎみに語った。
この日はサシバやサギ類以外にもウグイス、オオタカ、ハイタカなど14種類の野鳥を観察した。次回の探鳥会は5月17日に龍郷町の奄美自然観察の森で行う予定。

