遺構の公開保存、デジタル技術を使った分かりやすさで奄美の歴史文化の特性を伝える場となっている宇宿貝塚史跡公園の覆い屋根施設
リニューアルオープンしたばかりの奄美市笠利町の宇宿貝塚史跡公園。ゴールデンウィ―ク(GW)初日の29日、レンタカーを利用し県外からの来島者らが訪れ、覆い屋根によって可能となった遺構(生活跡)の露出展示などを興味深そうに見学していた。
前日の28日は市立奄美博物館を訪れたという熊本県の浦崎勇一さん(57)。熊本市にある熊本学園大学付属高校の公民科・情報科教諭で、来島は春休みに続いて。「教育委員会の担当課に相談し、学芸員の皆さんの説明をお願いした。博物館での展示資料に基づいた説明により、奄美の琉球支配や薩摩支配、そして戦後は米軍支配といった教科書に掲載されていない歴史や復帰運動を知った」と語り、内装改修を経て22日にリニューアルオープンしたばかりの史跡公園内にある施設にも足を運んだ。
ここでも職員が丁寧に説明。宇宿貝塚は縄文時代後期からグスク時代(中世)まで続く複合遺跡だが、調査で確認された遺構などを埋め戻すことなく、発掘された状態のまま保存公開されている。石組竪穴住居跡、親子で埋葬された墓、V字の溝状遺構など見学。オオツタノハ、ゴホウラといった大型巻貝によって貝輪などの加工製品が生産され、これによって交易が実現し、奄美で産出されない黒曜石や滑石(滑石製石鍋)などが持ち込まれたことも説明された。また、大型プロジェクション映像などによって漁労・狩猟・採集の歴史が縄文時代以降長く続いたことを伝えた。
浦崎さんは「昔の生活そのものを示す現物保存のほか、デジタル技術を使い展示内容が分かりやすい。説明も丁寧で奄美の歴史と文化が理解できた。ガイドブックもSDGsの視点を取り入れていることで子どもたちも関心を示すのではないか」とし、「奄美は学びの場として興味深い。教職員研修の場、生徒たちの修学旅行の場として可能性があるのではないか。熊本から近いし検討を求めていきたい。自然や歴史文化はとても魅力的」と語った。

