公明党ハンセン病家族救済本部長を務める谷合正明参院議員(中央)が奄美和光園を視察。窪田哲也参院議員や地元の県議、市議と共に園の現状などについて説明を受けた
歴史的建造物である旧納骨堂前での説明もあった
ハンセン病患者の隔離政策を定めたらい予防法(1996年廃止)は憲法違反として、国に元患者らへの賠償を命じた2001年の熊本地裁判決から25年となった11日、公明党参議院会長で同党ハンセン病家族救済本部の本部長を務める谷合正明(たにあい・まさあき)参院議員は奄美市名瀬の国立療養所「奄美和光園」(馬場まゆみ園長)を視察した。現在の入所者数は全国の療養所で最少の6人(男性2人、女性4人)。療養所の永続化に向けて現状、歴史的建造物などの説明を受け、地域との共生など把握した。
岡山市在住で党岡山県本部代表の谷合参院議員は、同県にある療養所に入所する全国ハンセン病療養所・入所者協議会の屋猛司会長と先月懇談。全国13の療養所の入所者数は年々減少している中、ハンセン病問題基本法をめぐり各療養所の将来構想や入所者がいなくなった後の課題について要請を受けたことから、永続化に向けて現状(歴史的建造物や敷地、地域医療との関係、地域社会との共生など)を探ろうと視察。県内では10日の星塚敬愛園(鹿屋市)に続いて和光園を訪れたもので、奄美ティダ委員会委員長の窪田哲也参院議員、同党の県議2人、奄美市議3人も同行した。
視察では和光園の上山卓朗事務長が園の沿革や現状などを説明。この中ではピーク時には350人いた入所者も年々減少。毎年2~5人亡くなり、直近では2024年は1人だったが、25年は4人も死去。現在の平均年齢は87・5歳で、最高が92歳、若くても80歳と高齢。在園期間は58年余りと長い状況にある。高齢化に加え感覚障害など後遺症が残るが、上山事務長は「その人らしい人生が送れるよう、買い物や里帰りなど園全体でサポートしている」と語った。
地域との交流も説明された。夏祭りや敬老会を通し地域との交流が続いており、「現在は農作業をする人がいなくなった」としたが、園内には季節の野菜を植えた畑があり、農園での収穫作業を通した市民との触れ合いも行われた。皮膚科の一般外来など地域医療への貢献も説明され、今年に入り新たな科としてリハビリテーションも行われている。説明に対し、医師、看護師など職員によるサポートの状況や近隣医療機関との連携などの質問があった。
療養所の永続化に向けては歴史的建造物の存在が示され、旧納骨堂、火葬場跡、浄水場跡、慰安解剖棟跡など11か所をリストアップしているとした。園職員の案内でこうした建造物の視察もあり、納骨堂では物故者総数410柱のうち遺骨総数は52柱で、「全国の療養所の中でも非常に少ない。身内が遺骨を引き取り、先祖の墓に納骨している。こうした割合は高く、島独特の結びつきの強さ、つながりの深さを表しているのではないか」との説明があった。
視察後、谷合参院議員は「和光園は地域との共生度合いが強いと感じた。地域との交流も行われている。一方で入所者の高齢が課題であり、直面している」と述べた。
谷合参院議員は党離島振興対策本部の本部長でもあり、和光園視察と合わせて奄美市長、龍郷町長と意見交換。物価高や資材高騰などへの支援を求める要望も受けた。

