徳之島署など死亡事故現場診断

高齢者の死亡事故を教訓に、住民や学校代表からは信号機設置の要望が相次いだ=12日、伊仙町犬田布の県道(事故現場)

〝危険な道路〟と意識
信号機や視界改善要望も

 【徳之島】4月に伊仙町犬田布の県道で高齢女性が死亡した交通事故を受け、徳之島署は12日、交通死亡事故現場診断・検討会を開いた。東犬田布地区住民や犬田布小・中学校代表、行政や道路管理者など関係機関・団体の担当者ら17人が参加。事故現場を診断後、東犬田布公民館で再発防止策について意見を交わした。

 事故は4月14日午後5時40分頃発生。県道を横断していた近くの無職女性(89)が、町道側から県道へ左折進入してきた乗用車にはねられ、搬送先の病院で死亡した。

 現場では、県道が緩やかな上り坂となって見通しが悪いことや、被害者が当時近くの横断歩道を利用していなかった実態なども確認。合流時の車両加速や車のピラー(柱)による死角なども事故要因になった可能性。さらにはカーブミラーの角度不良や標識の汚れ、凹みなど道路環境上の課題も指摘された。

 室内検討会では、犬田布小・中学校の児童生徒の主要通学路となっている点も踏まえ、区長や学校関係者から「信号機(押しボタン式含む)」の設置を求める声が相次いだ。同署側は、同設置は県公安委員会管轄だが、ピーク時交通量が設置基準の1時間あたり300台に満たず、現時点での設置は難しいとの見解を示した。

 一方で、一時停止線手前への赤色ライン設置や、薄くなった減速表示の引き直し、道路脇樹木の伐採、カーブミラーの調整・増設、歩行者動線に合わせた横断歩道の増設――など、複数の対策案が挙がった。

 ソフト面では、「横断歩道を使わない」といった〝地域特有の交通行動〟の改善をはじめ、高齢者やドライバーへの交通安全指導の徹底を求める意見も出た。さらに、夕方の交通量増加時間帯に合わせた町防災行政無線による注意喚起、親子参加型や高齢者向け交通安全教室など啓発活動の強化を求める要望もあった。

 徳之島署や県・町行政など関係機関は今後、カーブミラー調整や樹木伐採、路面標示補修など実施可能な対策から順次進める方針。信号機や横断歩道増設を巡っては、設置基準の厳しさと事故再発防止を願う地域住民の切実な思いとの間に隔たりのギャップもみられたが、同署は「地元要望として県や関係機関と協議」。「地域一体で交通事故ゼロを目指したい」と決意を新たにした。