地元市場で奄美唯一の公設市場・名瀬中央青果。タンカンの取り扱いにあたって26年度事業計画では光センサー利用促進による品質向上を掲げている
22日にあった地元市場である名瀬中央青果㈱(中村博光代表取締役社長)の株主総会。2025年度決算で売上高減少(前期比12・1%減)の一因として挙がったのがタンカンだ。売上減の半分をタンカン(6379万円減のうち約3300万円)が占めた。前期比1・4倍の入荷量により単価が大幅に下がったため。ただし同市場には光センターを通したタンカンもまだ一部だが持ち込まれており、利用が差につながっている。
入荷したタンカンのうち品質保証が可能な光センサーを通したものには、化粧箱なら「光センサー選別」が印字される。ビニール袋の場合でもJAが準備しているシールを貼ることができる。JAが市場関係者に光センサーのメリットを実感してもらおうと、市場出荷に取り組んだのが19年度。この時はまだテストケースで、1回目は約150㌔(5㌔入り化粧箱で最高ランクの秀品のみ)だった。
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25年度のタンカン入荷状況をみると、光センター未利用分は268㌧もあった。利用分(18㌧)の14・9倍の多さだ。市場入荷のタンカンのほとんどが「品質保証されていないもの」と言える。生産者にとっては、光センサーが設置されているJA管理運営の奄美大島選果場に持ち込む「手間が省けて楽」「市場なら持ち込まなくても値が付く」かもしれない。だが、入荷されたものを競り落とす買受人は当然、品質のいいもの優先する。25年度のように量がかなり多いと、選果が徹底されていないなど質の悪いものは数十円単位まで単価が下がる。
比較してみたい。未利用の平均単価は182円で、前期(443円)の41・08%にとどまり、58・92%も減少した。これに対し光センサー利用の平均単価は376円で、未利用の2倍超の高さでの取引となった。前期平均単価は672円。比較すると55・95%となり、44・05%減少したものの、減少割合は低い。光センサーを通したタンカンの市場への入荷量は21年度の9㌧から22~24年度は3~4㌧台と低調だったが、25年度にようやく二桁の量となった。市場に多くの量が出回っても単価は未利用に比べて大幅に下がらないことの根拠が25年度の実績ではないだろうか。
22日の株主総会で中村社長は言及した。「選果機、光センサーの活用によって果実の品質向上に努めなければならない。JAや奄美市と連携していく」。この姿勢は中央青果の事業実施計画でも打ち出されている。地場産青果物の消費拡大対策の中で。「タンカン等の知名度アップのため、官公庁の宣伝活動に積極的に参加する」に続いて「光センサーの利用促進を行い、併せて選果の徹底を促進し品質の良いタンカンの入荷を図る」と掲げる。25年度の入荷結果が示すように品質の良いタンカンでなければ「単価は上がりません。肥料をはじめとした資材価格が高騰する中、収益を上げて経営を安定させるには光センサーの利用により、品質の良さを示すことで高値取引が実現します。それによって支出増をカバーし、もうかる農業に近づきます」。こう受け止めることが生産者はできるだろうか。
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「光センサーを利用することで(ランク付けにより)品質が保証されたものを購入者である消費者に届けることができる。この認識を持ち、生産者は選果場を利用してほしい」。25年度の出荷期にあたり呼び掛けたのが奄美市奄美大島選果場管理運営協議会のフルーツブランド確立推進員・熊本修さん。「JA組合員はもちろん、地元市場に出荷する生産者も含めて奄美の農産物を盛り上げていきたい。地元市場にも光センサーの果実がもっと集まってほしい。それによって価格も上がると思う」と期待する。
光センサーがある選果場利用の促進取り組みはJAや行政だけでなく、地元市場も加わるようになった。25年度のように単価の差を生産者が自覚し続けることで、選果場開設時の目的である「一元化」が実現する。それにより国内を代表する産地として「奄美たんかん」のブランド化が見えてくるだろう。
(徳島一蔵)

