「島むに週間」スタート

せいろから取り出した「ゆきみし」に見入る参加者ら(5月30日、知名町)

島むにの継承について研究者が講演した情報交換会(5月30日、同町)

郷土菓子「ゆきみし」作り楽しむ
研究者と住民が情報交換

 【沖永良部】国立国語研究所と和泊町、知名町による「島むに週間」が5月30日から始まった。初日は、沖永良部島の郷土菓子「ゆきみし」作りや情報交換会が開かれ、地域住民らが島むにに触れながら交流を深めた。島むに週間は9日まで。

 沖永良部島の方言(島むに)を語り継ごうと、和泊町島ムニ継承推進協議会では、6(ム)月2(ニ)日を「しまむにの日」に設定。5月30日から9日にかけて、同協議会が主催して島むにや島の歴史文化に関する各種イベントを企画している。

 30日は、島の冠婚葬祭に欠かせない郷土菓子「ゆきみし」を作る体験会が知名町農林水産加工センターで開かれた。地域住民ら約15人が参加し、もち米粉と米粉に黒砂糖や白糖、水を混ぜた生地を蒸し上げる工程を体験。せいろから取り出すと、参加者らは「おいしそう」と拍手をしながら声を上げた。完成したゆきみしは、切り分けて全員で味わったり、家族のために持ち帰ったりした。

 知名町立下平川小6年の清村祐介さん(11)は「ゆきみしが大好きで、作り方も覚えた。出来立てはもちもちしていて本当においしい」と笑顔を見せた。

 午後からは、知名町の下平川公民館で第5回島むに情報交換会を開催。島むにの継承活動に取り組んでいる住民ら30人が参加した。

 同協議会の先田光演会長は「島むにの継承活動は始まったばかり。100年間続けていく思いで頑張っていきたい」とあいさつ。

 言語の研究者4人が「研究者が考える島むに継承とは?」をテーマに講演。国立国語研究所の横山晶子助教は「記録が残っていれば、言葉の復興は可能。話せる人、聞いてわかる人がいるうちに言葉をつないでいく」と述べ、話す人を育成するために2年前から島内で実践している「マスター・アプレンティス・プロジェクト」の取り組みを紹介した。

 駒澤大学の三樹陽介准教授は「方言継承が何かに役立つかどうかという点で論じてしまうと、言葉の本質を見失ってしまう」と指摘した上で「言語が失われると、地域文化やアイデンティティーが失われる」と語った。 

 島内での継承活動について意見交換もあり、参加者からは「子どもたちの学校生活の中にもっと方言を取り入れたい」「Iターン者や移住してきた外国の人も方言に興味を持っている」などの意見が出た。

 このほか、島むにヨガや昔話「浦島太郎」の方言バージョンなどの披露もあった。