セグロウリミバエの誘殺数が集中し奄美で最多となっている伊仙町は町民に対し適切な管理や防除を依頼するチラシを作成、周知に取り組んでいる
主にウリ科の果菜類・果実の重要害虫セグロウリミバエは、県の1か月まとめの発表で増加が続いており、寄生を示す幼虫も新たな確認が出ている。奄美全体の誘殺数の半分を占めるなど最多が続く伊仙町では、まん延防止に向け適切な管理や防除の周知に取り組んでいる。沖縄県で進められている不妊虫放飼は奄美でも実施へ準備が進められており、施設改修に向けて基本設計が発注された。
県経営技術課の今年度に入ってからの発表によると、奄美地域の誘殺数は3月31日~4月30日まとめで189匹(①)、4月21日~5月18日まとめは252匹(②)。いずれも最多は伊仙町で、①での100匹は全体の52・91%と半分以上、②での120匹は同47・62%と半分近くを占めた。伊仙町ではこれまでなかった幼虫も確認された。
同町経済課によると、町内ほ場で栽培されたウリ科野菜類(島外出荷用)で幼虫の寄生が確認されたもの。これを受け町は、「経営栽培を目的としたウリ科野菜については薬剤防除の徹底」「まん延防止に向け、各家庭に植栽されている不要な寄主果実の除去及び薬剤散布を行わない家庭菜園でのウリ科等の栽培自粛」を防災行政無線、ホームページで要請。町民の協力を呼び掛けるにあたり、写真やイラストを使い分かりやすく作成した管理依頼チラシを区長会議で配布も予定している。
不妊虫を散布し繁殖を防ぐ不妊虫放飼は、増殖施設の整備費用が国の2025年度補正予算で4・5億円計上された。名瀬朝日町にある県大島支庁のアリモドキゾウムシ不妊虫生産施設を改修するもの。不妊化(放射線使用)を一つの施設で行うことになることから、セグロ用とアリモドキ用の二つに分けるが、セグロは羽があり飛び回ることから閉鎖環境(閉鎖空間)を確立する。
経営技術課によると、改修に向けて基本設計を発注しており、近く出来上がる見通し。続いて実施設計(詳細計画)に移行するが、着工時期についてはまだ見通しが立っていないという。迫田隆仁課長は「早く整備し早く取り組みたいが、人手不足や資材不足・高騰といった事情も抱えている。増殖作業は技術を伴うことから夏場にも2人の職員を沖縄県に派遣し研修させ、技術面の準備をしていきたい」と説明した。
なお、沖縄本島と周辺離島でまん延し、昨年4月から農林水産省による緊急防除が始まり、7月からヘリコプターによる不妊虫放飼を行っている沖縄県。5月12日には伊江島での調査結果が発表され、昨年9月以降は農作物への被害が著しく減っているとして、「不妊虫放飼の効果が確認できた」とした。同県では引き続き、離島を含む県内各地で毎週約2千万匹の不妊虫をヘリから散布、セグロウリミバエの根絶を目指している。

