果樹園の中には強風により一面にスモモの果実が落下している箇所もあった(2日、大和村大和浜)

奄美市で栽培が盛んなパッションフルーツは台風対策としてビニールを外しハウスの骨組みを守る取り組みが見られた。強風により落下している果実もあった(2日、名瀬の古見方地区)
台風6号は奄美地方を暴風域に巻き込み北上したが、奄美大島で現在収穫期の農作物(果樹)はスモモとパッションフルーツ。台湾原産・花螺李(カラリ)品種の県内最大産地大和村では強風により果樹園の一部で収穫前の果実が落ちる被害が見られた。ハウス栽培のパッションフルーツは強風対策としてビニールを外し、骨組みを守る対応がとられた。
村産業振興課によると村内のスモモ栽培面積は約40㌶、生産者約130人。生産者の持ち込みを受けて先月26日から選果場が稼働したが、今期は果実の着色遅れにより出荷のピークは今月10日前後を見込んでいた。
同課は台風被害調査を3日から行う。2日は天候の回復状況を見て、収穫作業に支障がないよう、果樹園に通じる農道の倒木除去などに取り組んだ。
村内のうち大和浜地区は川沿いの山裾にかけて果樹園が連なる。まだ収穫されていない着果したスモモが多く残り、強風対策として枝をロープなどで固定している園も見られたものの、なかには赤色に熟したものを含めて一面に落果している樹木もあった。スモモの場合、枝から落ちた果実は割れてしまうため商品にならない。同課は「風の巻き込みなどは果樹園の立地環境によって異なる。収穫前の台風接近によりまだ青い状態でほとんどの果実が落下し、“青いジュウタン”のようだった以前のような被害までには至っていないのではないか。被害はところどころだと見込んでいる」としている。
一方、「風が巻き込み予想以上の被害。果実の半分は落ちていた。倒れることがないよう固定していたにもかかわらず苗木も倒れていた。周辺でも落果被害が見られ、深刻ではないか」と話す生産者もいた。
奄美市農林水産課によると、名瀬の古見方地区を中心に栽培が盛んなパッションフルールの面積は約6・6㌶、生産者約60人。これまでの平均的な生産量は70㌧。ピークは今月中旬だが、先月から収穫が始まっており、全体の1~2割に及ぶという。パッション栽培で用いられているハウス(K6)はマンゴー用などに比べそれほど風に強くないことから、同課が台風対策で呼び掛けたのが事前にビニールを外す取り組み。「被覆したままだと風の影響を受けて骨組みまで倒壊してしまう可能性がある。資材が高騰している中、ハウスを建て替えなければならず大きなダメージとなる。ビニールを外し骨組みだけなら、風がそのまま通り抜ける。ビニールを外さない場合は、ハウスバンドによって締め付けての倒壊防止を呼び掛けた」(同課)。
ビニールを外すと果実は露地栽培の状態になるが、同課は病気が入ることがないよう事前に殺菌剤散布を呼び掛けた。台風通過後、再びハウスにビニールを被覆するが、殺菌剤を散布していない場合は行った上での被覆を求めている。
スモモに比べるとわずかだが、強風によって落ちた果実も見られた。同課は「写真を撮影しての報告が寄せられている。水たまりに落ちた果実は病気が入る可能性がある」として商品にならないとの判断だ。

