獣舎に入り、アマミノクロウサギのフンを採取する南さん(5月22日、大和村のくるぐる)
フンの腸内細菌を顕微鏡で観察しモニターに映す仕事も担当した。左は豊田英人獣医師(くるぐる内のラボ)
大和村思勝の大和中学校(大田耕造校長)2年の南優聖(ゆうせい)さん(13)は5月20~22の3日間、アマミノクロウサギミュージアムQuruGuru(くるぐる)で職場体験を行った。国の特別天然記念物アマミノクロウサギなどの希少生物と身近に接し、生態を観察する自動カメラの映像分析、フンの顕微鏡観察など、獣医や研究施設の仕事を通し、命と向き合う責任感を肌で感じた。
施設にほど近い大和浜に住む南さんは昨年の夏休み、くるぐるを8回訪れたという動物好き。施設は、2025年4月の開所以来、体験を受け入れてこなかったが、南さんの熱意を受け止めた。
南さんの仕事は、獣医や職員が行う管理業務の全て。朝は、クロウサギの獣舎に入って掃除を行い、食事を準備。「敷地で育てている草を何種類もとって準備した。山にとりに行くこともあった」という。
獣舎で採取したフンはラボ(研究室)に持ち帰り、顕微鏡で腸内にすむ微生物(腸内細菌)を探し、来館者が観察できるようにモニターに映す仕事もあった。
「よるにわ」と呼ばれる昼夜逆転の部屋で掃除をしていると、築山の上にいたケンタ(クロウサギ)が数十㌢の距離まで駆け下りてくることもあったという。「手を伸ばせば届くような距離でクロウサギと目が合った」と高揚した様子で振り返った。
その「よるにわ」にすむリュウキュウコノハズクは、くちばしのかみ合わせが悪く定期的な治療が必要。豊田英人獣医師(42)が医療器具を使ってトリミングする様子も間近で観察した。
来島していた鹿児島大学の研究チームに加わりタンカン果樹園での調査にも随行。「いろいろな種類の草や果実、樹皮を置いて実験していた。ウサギはなぜか、皮を好んで食べていた」と話した。
ケナガネズミやルリカケスの食事も用意した。虫が苦手だという南さんは、ルリカケス用の冷凍コオロギに直接触ることだけはできなかったという。
体験を終え、「仕事は忙しかったけど、きついという感覚より楽しいが勝っていた」とあどけない笑顔を見せた南さん。一方で、「昨年は村内で40件ぐらいのロードキル(交通事故死)があったと聞き衝撃だった。ここにしかいない貴重な生物。大切にしてほしい」と話した。
「将来は動物に関わる仕事がしたい」という南さんに豊田獣医師は「これをきっかけにもっと自然を好きになってほしい。将来、くるぐるの獣医として帰ってきてくれたらと考えている」との言葉を贈った。
くるぐるは今後も、子どもたちの環境教育に積極的に協力していくという。

