徳之島署の平土野駐在所に夫婦で勤務、住民に親しまれている髙橋裕太・里奈さん夫妻=21日、天城町
【徳之島】鹿児島県警の今春の人事異動で、徳之島署平土野(へとの)駐在所(天城町天城)に夫婦の警察官が着任した。県警で夫婦が同じ駐在所に勤務するのは、2014年から4年間配置された鹿屋署細山田駐在所に続き2例目。気さくで親しみやすい人柄から、住民の間では早くも「ゆうた君」「りなさん」と下の名前でも呼ばれ、親しまれている。
着任したのは、鹿児島中央署から赴任した髙橋裕太巡査長(26)と、南九州署から赴任した髙橋里奈巡査長(24)夫妻。裕太さんは熊本県出身で、母親が出水市出身。「パトカーや警察官に憧れていた」と幼い頃から警察官を志し、里奈さんも「物心ついた頃から警察官が目標だった」。それぞれ20年4月に警察官を拝命して夢を実現。警察学校で同じ班になったことをきっかけに交際へ発展し、24年3月に結婚した。その後の配属希望調査に、同一の駐在所勤務を希望していたという。
2人は「赴任前は離島特有の閉鎖性があるのでは」と不安もあったが、実際には住民の温かさに驚かされたという。住民からお菓子をもらうこともあり、「警察官を見て喜んでくれる」と笑顔を見せる。住民同士や店員との距離が近く「良い意味で世間が狭い」と感じており、離島ならではの温かな人間関係を実感している。
一方で、この約3か月間には、離島勤務ならではの課題にも直面した。それは県本土とは違う台風の強さ、欠航による物流の停滞だ。「赴任してすぐに備蓄品を購入するなど、防災への意識が変わった」と話す。
島の暮らしにもすっかりなじみ、地元名物の「卵おにぎりもシンプルにおいしく」、黒糖焼酎などの食文化も楽しんでいる。
夫婦駐在所の利点については、「夫婦ということで話題になりやすく、顔を覚えてもらいやすい」。さらに、女性警察官が常駐することで、女性の相談者が安心して相談できる環境づくりにもつながっているといい、「本署から女性警察官を派遣する必要がなくなるメリットもある」と里奈さん。
今後の抱負に2人は、「歴代の先輩方が築いてきた地域との良好な関係と信頼を裏切らないよう、しっかり守っていきたい」。その上で、「初めての夫婦での赴任として新しい風を吹き込み、2人で力を合わせて地域に根ざした警察活動を行っていきたい」と笑顔で語った。
警察庁や各都道府県警では、働き方改革(ワークライフバランス推進)の一環として、夫婦警察官の同一駐在所勤務を進めており、少子高齢化による人材確保や女性警察官の活躍推進策としても注目されている。

