県議会一般質問

新たな地域医療構想策定
奄美圏含めて 在宅医療需要、高齢者救急に対応
屋久島・奄美世界遺産 異なる魅力、県内外に発信

 県議会6月定例会は26日、引き続き一般質問(最終)があり、松山さおり議員=自民党、奄美市区=、柴立鉄平議員=自民党、鹿児島市・鹿児島郡区=、寿肇議員=自民党、大島郡区=、園田豊議員=自民党、南さつま市区=が登壇した。松山議員が取り上げた奄美保健医療圏の将来にわたった医療提供体制で、奄美医療圏の充実を含めて医療介護連携の推進等が課題として「新たな地域医療構想」策定の取り組みが示された。

 塩田康一知事は答弁で「地域の医療提供体制を維持するには効率的で持続可能な医療提供体制が重要」と述べた。新たな地域医療構想を策定する中で、奄美保健医療圏の関係者で構成される協議会において増加する在宅医療の需要や高齢者救急への対応、医療と介護の連携、医療従事者の確保に向けた取り組みを検討するとした。

 伊地知芳浩・保健福祉部長は奄美保健医療圏の病院施設数を説明。2024年10月1日時点で病院15施設、一般診療所80施設、歯科診療所39施設の計134施設で、地域医療について「85歳以上の高齢者の増加や人口減少など2040年とその先を見据え島嶼(とうしょ)部を含む全ての地域のあるべき姿を示すものとして新たな地域医療構想を策定する。県では今後の策定にあたっては県医師会や鹿児島大学病院も検討委員に含めて協議会を設置したい」と補足した。保健医療福祉課によると、7月3日に調整会議を開き圏域構想など検討体制、策定に向けたスケジュールなどを協議する。

 社会的養護経験者等の孤立を防ぐための取り組みでは、県が委託し青少年支援センター「ゆずり葉の郷」が運営する社会的養護自立支援拠点事業所「つむぐテラスかごしま」(鹿児島市天文館に開設)の活動が説明された。北薗育子・子ども政策局長の答弁によると、昨年8月の開設から今年3月末まで8か月の利用者は延べ860人(県内各地から相談)。実数は57人で、1人で複数の相談などを行っているという。児童相談所や児童養護施設、自立援助施設などを参集した連絡会を開催、同事業所の活動状況や他機関に支援をつなげる事例を共有することで関係者の理解を促進し、社会的養護経験者等への紹介や利用要録につなげているとした。

 寿議員は、登録5周年を迎える奄美大島・徳之島の世界自然遺産について取り上げ、屋久島との登録内容の違いと周知活動の在り方について県の見解を求めた。向井一幸・環境林務部長の答弁によると、屋久島は自然美と生態系の二つの魅力、奄美大島・徳之島は生物多様性がそれぞれ評価されて登録された。「両地域の特徴の違いやその価値について県内外に周知することが、それぞれの世界自然遺産を保全し、その価値を将来の世代に継承するため、また観光客の誘客周遊を促すために重要」として観光客の誘客周遊につながる取り組みとしては、両遺産の特徴・相違点を紹介したガイドブックの作成と配布などにより異なる魅力について県内外に情報発信しているとした。

 両遺産を結ぶ取り組みとして、寿議員はJAC(日本エアコミューター)が運航するアイランドホッピングの新たなルートとして屋久島空港滑走路延長後の屋久島―徳之島線の就航を提案。松藤啓介・地域政策総括監は「実現に向けては需要予測や採算性の面から、まずは航空会社の意向が重要」とした上で、「航空路の開設による周遊性の向上は新たな観光需要の喚起に資するものであり、地元自治体の意向を確認しながら航空会社の考えを伺いたい」と述べた。