「TOKYOタクシー選ばれてうれしい」

アマホームPLAZAで開催される「TOKYOタクシー」上映会と、山田監督と迫田さんのトークショーの案内チラシを手にする房さん(東京築地の松竹本社で)

アマホームPLAZA 5周年イベント上映会
プロデューサーの房さん(古仁屋出身)語る

 奄美市名瀬のアマホームPLAZA(市民交流センター)は開館5周年イベントとして、今月11日(土曜日)、全国公開され話題を呼んだ映画『TOKYOタクシー』(山田洋次監督)の上映会を開催することになった。同作品のプロデューサーで瀬戸内町古仁屋出身の房俊介さんに、上映会実現までのいきさつを聞いた。

 房さんは今年1月24日、奄美市名瀬有屋町のシネマパニックで上映されていた同映画を鑑賞した。一般客に交じって観客の反応を確かめるためだったが、「地元のおじいちゃん、おばあちゃんたちがたくさん来てくださっていて、本当によく笑ってくれていたんです」

 その光景に心を動かされ、「山田監督と、蒼井優さんの夫役を演じた鹿児島県出身の迫田孝也さんを招いて、奄美で舞台あいさつ付きの上映会を開きたい」(奄美新聞2月4日付)という思いを抱いた。

 その思いは次第に大きくなり、実現に向けてアマホームPLAZAを訪ねた。

 同館管理者のNPO法人WARABEE代表理事・川元一生さんに上映会の構想を相談すると、今年7月に開館5周年を迎える同館でも記念イベントを検討していたことが分かった。タイミングはまさに一致。その後、松竹営業部などと調整を重ね、11日の開催決定にこぎつけた。

 房さんは「まさかこんなに早く実現するとは思っていませんでした。アマホームさんとのタイミングが良かったです。この作品を選んでいただき、本当にありがたく、うれしく思っています」と笑顔を見せた。

 『TOKYOタクシー』は、倍賞千恵子さんと木村拓哉さん主演の映画。2人がタクシーで都内を巡る中で物語が展開していく。車内シーンの多くは、270度を囲む大型LEDウォールと天井のLEDパネルを用いた最新の撮影技術によって製作され、実際に走行しているかのような臨場感を生み出している。

 山田監督は、この「LEDウォール」という新しい撮影技術に大いに刺激を受けたという。倍賞さんはこの作品で、第49回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した。

 今回の上映会について山田監督は、「あと、何回奄美に行けるかな?今年の奄美は上映会もあるなんて本当にうれしい」と笑顔で語ったという。

 迫田さんは21歳のとき、卒業旅行で奄美を訪れたことをきっかけに山田監督と出会い、「俳優になろう」と決意したという。「奄美に来ていなかったら俳優にはなっていなかったと思う」と、今もたびたび語っているそうだ。

 実は房さんも幼い頃に山田監督と出会い、「山田組」に加わった。山田監督との出会いが人生の大きな転機となったという共通点もあり、房さんと迫田さんは親交を深め、今では飲み仲間でもある。

 同作品は日本国内だけでなく海外でも高い評価を受け、国内外の映画祭で上映された。房さんは今年6月、ドイツ・フランクフルトで開催された世界最大級の日本映画祭「ニッポン・コネクション」に参加。上映後のトークショーでは「とても反応が良く、質問が途切れませんでした」と振り返る一方、「島の人は少しシャイなので、質疑応答で質問が出なかったらどうしよう」と笑う。

 「皆さんもぜひ山田監督や迫田さんにたくさんの質問を投げ掛け、映画づくりの裏話に耳を傾けてほしい」。房さんの願いだ。

 なお、チケットはすでに完売している。
 (永二優子)