奄美群島航空運賃軽減事業により運賃割引が図られているが、運賃上昇で負担割合が増えている(鹿児島間を結ぶ航空便=奄美空港で)
奄美群島振興交付金を活用した航空運賃軽減事業により「離島割引カード」の提示によって群島住民(「準住民」を含む)は鹿児島間や沖縄間、群島間は普通運賃からの割引率で半額となっている。ところが航空運賃の値上げで負担額は半額補助されていない段階まで上昇しており、割引率を引き上げるためにも奄振交付金の増額を求める声がある。
県議会6月定例会の一般質問で自民党の禧久伸一郎議員=大島郡区選出=が取り上げ、松藤啓介・地域政策総括監、塩田康一知事が答弁した。
答弁によると、同事業の制度開始(2014年度)時と現在の通常期運賃(離島割引後)を鹿児島間で比較した場合、奄美=1万2500円→1万8700円(49・6%増)▽喜界=1万2500円→1万9600円(56・8%増)▽徳之島=1万3800円→2万1050円(52・5%増)▽沖永良部=1万5150円→2万3650円(56・1%増)▽与論=1万5950円→2万4800円(55・5%増)。
離島割引が実施されても負担増について塩田知事は「離島航空運賃は近年の物価上昇の影響により23年度以降、数回にわたる値上げが行われている。離島割引運賃を一定程度保つには割引額を引き上げるための財源を伴う」として、財源となる奄振交付金の増額を国に要望するとした。
離島航空運賃の状況について財務大臣政務官の三反園訓衆院議員(自民党鹿児島2区支部長)は「高市内閣の一員として物価高対策に取り組んでいる。特に離島においては航空運賃が非常に高くなっており、運賃の半額を補助してきたが、その値段がどんどん上がり、制度以前の半額補助をしない段階の高い値段を島民の皆さんは負担している。現状では補助がないのと同じ」と指摘。「人件費や給料、所得がまだ伸びない中で運賃の値段が上がっている状況を改善しなければならない」と述べ、「奄振を担当する国土交通省、片山さつき財務大臣にも今の状況を説明し、改善すべきと伝えている。大臣とは認識を共有できていると思っている」と語った。
割引率を引き上げて運賃負担を減らすには奄振交付金の増額が必要だが、三反園氏は「財政状況から環境的には厳しいが、汗をかき努力していきたい。県議会で奄美選出の禧久議員が取り上げたことであり、地元と連携し『オール奄美』で取り組みたい」と述べた。
市町村が交付する離島割引カードは住民用の青色カードと準住民(学生・介護帰省者)用のピンク色カードがある。対象路線が24年度から沖縄間まで拡充され、今年度から沖縄間に準住民も追加された。奄美市紬観光課によると、25年度の発行枚数は8315件。直近の状況は24年度9211件、23年度8350件、22年度1万387件。8千~1万件で推移しており、同課は「3年に一度更新しなければならず、更新時には1万件台に達する。航空運賃軽減事業によって離島の条件不利性の改善に役立っているだけに、運賃上昇による負担の抑制へ制度の改善を検討してほしい」としている。

