多くの参加者を前に講演する岩田清文氏
【東京】東京奄美会(宮地正治会長、泰良宗男幹事長)はこのほど、品川区立総合区民会館きゅりあんで岩田清文氏(元陸上幕僚長)を迎え「2026年度文化講演会」を開催した。会場には約120人が詰め掛け、岩田氏の解説に耳を傾けていた。
同会は「奄美防衛と日本の未来=激動する世界情勢の中で=」と題したもの。宮地会長のあいさつ、勝光重文化広報部長の趣旨説明、宮地会長、竹之内康一・関東鹿児島県人会連合会会長の来賓あいさつに続いて、岩田氏が拍手の中、笑顔で登壇した。徳島県生まれで防衛大学卒後、陸上自衛隊入隊、第7師団長(北海道)、北部方面総監などを歴任した岩田氏は、2013年に第34代陸上幕僚長に就任。退官後は三菱電機㈱の防衛・宇宙システム事業本部顧問、現在は国家基本問題研究所副理事長として防衛問題に取り組んでいる。
「激動する国際情勢」「中台紛争生起の可能性と進行準備状況」などをプロジェクタースクリーンに投影しながら解説。先頃のホルムズ海峡をめぐる停戦交渉合意の概要などを丁寧に説明した。「おびただしい人が亡くなっているが、北朝鮮の助けでロシアは戦争を続けている。ドローンは中国が輸出している。ロシア兵は毎日千人死傷している」などと客観的な戦闘状況を報告。戦争の動向を左右するのは石油などのエネルギーであること、シーレーン(海峡)の重要性を教訓として示した。
奄美防衛については「台湾有事は日本有事」と捉え、沖縄本島、宮古島の兵員状況や奄美大島は自らが開設に関わった約550人の警備隊について振り返った。そのうえで「戦争を抑止するためには『自国を守れる能力がある』ことを示すべきだ。どうやって今の(陸上防衛構想)状況を整えていくかが重要。奄美なくしては、日本の防衛はありえない」と締めくくった。
その後、参加者と記念写真に納まった岩田氏は懇親会でも各郷友会関係者と意見交換した。60代女性は「最近メディアでも取り上げられているが、岩田さんの説明を聞いて世界の現状がより分かりました」と納得していた。ほか「子どもや親のため、防衛を考える時間ができてありがたかった」「中国の怖さを改めて知った。大変役に立ちました」との感謝の言葉が多く聞かれた。

