医師の監修による安心設計をPRする神宮司さん。カードの普及が「もしものときの安心」を生みそうだ
「もしも」の備え、安心のお守りとして「大切な人のこと」がすぐ伝わるように――。神宮司(じんぐうし)みなみさん(38)が代表を務め、個人事業主として立ち上げたBlue pen(ブルーペン)が「QR救急カード」を開発し、奄美大島内で販売している。救急時に必要な医療情報や緊急連絡先などをQRコードで簡単に伝えることができ、表示内容は本人や家族が選べるようにするなど個人情報にも配慮している。1日は「防災の日」。備えが命を守ることを考えたい。
自身が特殊な薬が必要という病気を抱える神宮司さん。日頃からヘルプカードを携帯している。「何かあったとき、必要な情報を早く医者に伝えたい。ヘルプカードと一緒に持っていれば、より詳しい情報も伝えられて、さらに安心につながる」という思いがカード制作のきっかけになった。「私自身もそうだが、不安を抱えながら外出しなければならない事情がある。必要な情報を伝えるシステムがあれば備えになる。このカードによって困った人に手を差し伸べることもできる。困った状況の緩和につながる」と神宮司さん。
「支えあいの一つの手段」というカードはマイナンバーカードと同じぐらいの大きさ。表示内容は、長年奄美で医療を続けるファミリークリニックネリヤの徳田英弘院長が監修しており、安心して使えるのが特徴だ。専用アプリは不要で、スマートフォンや携帯電話のカメラでQRコードを読み取るだけで確認できる情報は、▽名前=個人情報への配慮からフルネームを出さず、イニシャル表示も選べる▽年齢=年代表示▽アレルギー=食物・薬など▽持病・配慮事項=持病、認知症、感覚特性など▽服薬・注意点=必要な範囲で記載▽緊急連絡先=家族・かかりつけ医など▽コミュニケーション=「ゆっくり短い言葉で」「補聴器使用」など。紙のメモの場合、なくしたり、古くなったり、文字が小さくて読みにくいことがあるが、このQR救急カードならスマホで見やすく(文字を大きくするなど)して確認でき、情報は専用サイトから簡単に更新(追加費用なく30日に1回)できるよう設計している。登録した情報は、個人情報をサーバーに保存しない仕組みで管理しており、外部に漏れにくい設計となっている。
神宮司さんは、高齢者や一人暮らし、小さな子どもや家族の見守りとして勧める。災害時、避難所での生活となってもカードの情報によって周囲の理解につながる。また、デイサービスの利用で送迎時に発作などトラブルが起きた際には、送迎車の運転手がカードの情報によって緊急対応をとることもできる。
「困った」ときカードによって「安心」に変える設計。カードが完成したのが4月で、「8月から市内にある永田橋郵便局に商品を置かせてもらい販売中」(神宮司さん)。9月1日からは浦上郵便局でも無人販売を始める。値段はカード単体1枚3300円(税込み)。鞄などに取り付けられるボールチェーンのケース付きなら同3500円(同)。郵便局ではケース付きのみを販売する。専用サイトから必要な情報を登録後、カードを持ち歩くことになる。
社名を「Blue pen」としたことについて「青は冷静さや落ち着きをもたらす色。ロゴにも、何かが起きたときに安心につながるようにとの意味を込めた」と神宮司さんは説明し、「大切な人のことを、ちゃんと伝えられるようにすることで、安心して過ごすためのカードにできれば」と語った。QR救急カードの問い合わせは電話090・8925・9099。詳細はホームページ(https://www.blue-pen.jp)。

