2024年度産タンカンは品質の低下で製品率が低く、出荷規格で秀品が非常に少ない結果となった(光センサーがある奄美大島選果場での取り扱い)
2024年度産のタンカンは気象条件などによる品質低下が指摘されたが、品質保証可能な光センサー選果機がある奄美大島選果場で対応したJAあまみ大島事業本部の取り扱いは影響を示す結果となった。持ち込まれたタンカンのうち出荷規格で最上の秀品割合は5%以下となり、出荷基準に該当する製品率が低く、規格外が増加。今年度産の生産安定、品質向上へJAは樹勢回復に向けた取り組みを生産者に呼び掛けている。
大島事業本部によると、24年度産のタンカンの選果場への持ち込みは1月下旬にあり、3月10日で終了した。取扱数量は共販76㌧(うち規格外22㌧)、委託155㌧(同34㌧)の計231㌧。計画は共販61㌧、委託138㌧で、いずれも上回ったものの、前年度実績(共販80㌧、委託163㌧)には届かなかった。
品質面で平均糖度は共販10・7度、委託10・8度。11度以下となった要因についてJAは「下場(平場)にある果樹園を中心にヒヨドリによる食害が深刻だったことから、食害を避けるために早めに収穫した結果、糖度が乗り切れていない果実が持ち込まれた」と分析する。JAの等級基準は、▽秀品=糖度11・0以上で外観A▽優品=同10・5以上で同B▽良品=同10・0以上で優品に劣るもの―としている。取り扱ったタンカンを等級別にみると、秀品5%以下(共販3・6%、委託は5%)となり、前年度産の10%を下回った。優品(20%)、良品(75%)の割合はほぼ前年度産並みだった。
品質面に影響したのが24年度の気象。夏場は気温が高く、秋は降水量が多かったことで、酸が当初から低い結果に。酸が残ると冬場の糖の伸びを押し上げるが、これが発揮されなかった。JAは「特に夜温が11月まで高かったのが響いた。秋口は長雨もあったことで、果実に蓄積されたクエン酸が消費されてしまい、酸切れの早さとなって表れた」と説明し、「まだ幸いだったのが12月や1月に寒が入ったこと。これによる冷え込みがなかったら、さらに品質が低下していた」とする。
24年度は着果では「表年」で、生産量の多い生り年。JAは「気象条件もあり木は例年以上に疲れ、〝体力を消耗〟した状態にある」として生産者に春肥(この時期の肥料)投入、窒素系肥料の葉面(ようめん)散布の回数を通常より増やすよう呼び掛けている。なお、こうした品質対策は選果場利用者のうち共販出荷者を対象に配布される「光センサー分析処方箋」(各市町村がデータ処理し発行)を活用することで改善が図れる。

