行政職員対象 環境文化教育プログラム

地域経営をテーマに行われた「行政・奄美〈環境文化〉教育プログラム」(12日、奄美市名瀬の鹿児島大学国際島嶼教育研究センター奄美分室)

政策立案能力向上へ
鹿大法文学部

 鹿児島大学法文学部が主催する行政職員を対象にした履修証明プログラム「2025年度行政・奄美〈環境文化〉教育プログラム」が10日開講した。12日は、奄美市名瀬の同大国際島嶼教育研究センター奄美分室で初めての〝島集合授業〟があり、9町村からオンラインを含む20人が参加した。受講生は、26年2月までに28科目70時間の講座を通し、自然・歴史・文化などの地域特性への理解を深め、行政施策の企画・立案能力を高めていく。

 プログラムは、行政職員の交流と学習を軸に、奄美群島固有の環境文化を具体的な行政施策に落とし込む手掛かりを得る目的で実施。奄美市、龍郷町、瀬戸内町を除く8町村から25人が受講している。

 10日に開講式があり、社会教育学と環境教育学が専門の同大、小栗有子教授が「奄美の環境文化入門」の科目名で初講義を行った。

 受講生が対面で討論などを行う12日の授業は、一般社団法人 持続可能な地域社会総合研究所=島根県=の藤山浩(こう)所長が、「持続可能な地域経営1 人口の安定するシミュレーション」、小栗教授と合同で「同総合討論1」として講義。

 自著『田園回帰1%戦略』(農文協)シリーズで知られ、循環型経済や小さな拠点づくりを提唱し、中山間地などの再生事業に取り組んでいる藤山氏は、「人口の取り戻しが、持続可能な地域を作る上で一番の基礎になる」と話し、「定住安定化シナリオ」の必要性を説いた。

 受講者は、同研究所が提供した将来人口シミュレーションを使い、所属する自治体の人口変動を予測。出生率、死亡率、転入・転出などの要因を考慮して、地域の人口構成や将来展望を分析した。

 参加者の一人は「あいまいとしていたものが数字やグラフで具現化されることで課題が浮き彫りになった。大変なのはこれからだが、プログラムを通し政策に生かしたい」と話した。

 藤山氏は「どの世代の定住を何組何人移住させるといった具体的なシナリオが必要になる。自治体単位ではなく地域ごとに考える必要がある。地域力が試される」と語った。

 今回行われた地域経営をテーマとした講義の後半は12月、徳之島会場で行われる。