稲刈り作業に汗を流す子どもたち(20日、奄美市名瀬小湊の水田)
奄美市名瀬小湊で20日、4月に植え付けた餅米が実りを迎え、小湊子ども会と地域住民らによる稲刈りが行われた。直前に降った雨のため田んぼは水を含み、歩くのもやっとの状態だったが、黙々と稲を刈り運ぶ小さな子どももおり、集落総出で働く懐かしい田園の風景が広がった。
1月の田おこしから秋の餅つきまで、1年を通して行われる伝統行事。町内会が主催し、子ども会10人のほか奄美看護福祉専門学校の学生を含む約60人が汗を流した。
早朝から町内会がテントを張り、鎌などの道具も準備。子どもや学生は慣れない手つきで鎌を握り、経験豊かな高齢者から扱い方を教わった。
田んぼのぬかるみを嫌がる子どもや、時折現れるカメムシに悲鳴が響く場面もあったが、徐々に慣れてきたのか、手際よく刈り進められ作業は順調に進んだ。
午前8時の刈り取り開始から父親とともに黙々と作業した小湊小1年の大城和樹君(7)。「楽しいよ。鎌で刈るのがすごく楽しい。足が埋まって大変だけど、カニもバッタもいて面白い」と終始笑顔だった。
土に足をとられ全身泥まみれになった看護学科1年の森元智恵さん(19)=奄美高校卒=。「田植えの時は、足にボウフラが絡んで最悪。今日は泥田にダイブして最悪。明日は筋肉痛必至で最悪」とぼやくことしきりだったが、「集落の人はみんな優しい。すてきなコメができたらいいな。早く食べたいな」と気持ちを切り替えていた。
子ども会会長の山城正堯(まさたか)さん(42)は「子どもたちの活動を周囲が支えてくれている。田んぼの周りで大勢の人が働く昔の稲作文化を守っていきたい」と話した。
刈り取られた稲は、雨などを考慮し小湊小体育館に「稲架掛け(はさがけ)」された。8月に脱穀を行い、ワラは旧暦8月15日の十五夜祭の神事に使用する。年末には餅つきが行われる予定。

