喜界町に来島した柴さん(中央)と受け入れたHOWBEの谷川さん
お手伝いと旅を掛け合わせた人材マッチングサービス「おてつたび」。そのサービスを運営する㈱おてつたび(東京都)が鹿児島県の離島を対象に新たに取り組む期間限定プロジェクト「しまとたび」を活用し、奄美群島で働く人も増えている。関係者からは「新しい働き方だ」といった声も上がっている。
おてつたびは、人手不足の事業者と旅行も楽しみたい働き手をつなぐウェブプラットフォーム。受け入れ側は宿泊先を準備し、短期アルバイトとして雇用。利用者は働きながら滞在し、合間には観光を楽しめる利点もある。
新プロジェクト「しまとたび」は、薩摩川内市の企業・東シナ海の小さな島ブランド㈱と共同で今年6月に立ち上げた。夏季の繁忙期に働き手を集中して呼び込むことで、離島の交流人口を増やしていこうと企画した。
8月上旬、サービスを使って喜界島を訪れた東京在住の柴悠里さん(33)は、飲食を扱う屋台を手伝い汗を流していた。「喜界島の焼酎が好きで、一度は来たかった」とアルバイトを決意。11日間の滞在で、期間中は地元農家も手伝った。柴さんは「島には優しく温かな人が多く、地域との濃い関わりを体験できている」と気に入った様子で話した。
柴さんを受け入れた喜界町湾で物産品の企画販売を手掛けるHOWBEは、大勢の町民や観光客が集まる祭りで、人手を補おうと地元農家と協力し、雇用先として登録した。「働き手をプロフィールから選ぶことができ、求める人材が見つけやすい」と谷川理代表(42)。「島は人口減少が課題だが、島に興味がある人の懸け橋になれてうれしい。リピートにもつながれば」と話した。
おてつたびによると8月18日現在、登録者数は約8・3万人。登録者の約50%が10~20歳代で、50歳以上も29%に上るという。同社によると、期間中は離島の受け入れ業者も増えた。担当者は「当社は創業当初から人材のマッチングだけでなく、地方の関係人口の創出・拡大をミッションに取り組んできた」とし、「新しい人材確保のスタイルだが、新しい旅のカタチでもある。多様なつながりを作りながら、奄美大島のファンづくりにも生かしてほしい」と話した。
離島にスポットを当てた「しまとたび」の受付期間は終了したが、冬季の特集なども検討していくという。

