笠利地区では9機関参加の総合防災訓練が行われ、防災アドバイザーの鹿児島大学・井村隆介准教授の講演が開かれた(24日、奄美市笠利町)

自衛隊と警察、消防の連携による救出訓練も展示された
2025年度奄美市防災訓練は24日、市内全域を対象に笠利と名瀬・住用の2地区であった。想定が異なる自然災害下の住民避難訓練が行われ、笠利地区では自主防災組織を対象にした総合防災訓練を実施。両地区で計1000人以上の住民が一時避難所への移動や要支援者の誘導方法などを確認し、行政や防災関係機関との連携を図った。
住民避難訓練は2010年10月の奄美豪雨災害から15年の節目を迎え、名瀬・住用地区では集中豪雨を想定。市は午前8時半と同9時半に災害対策本部を設置するとともに、同8時40分、大雨による避難指示を発令。笠利地区ではマグニチュード8・2の喜界島沖(奄美群島北部の太平洋沖)地震による大津波警報発令が想定され、2地区の各集落で約1時間、避難とともに情報伝達や安否確認など各種訓練が行われた。
同市笠利町の太陽が丘総合運動公園であった笠利地区総合防災訓練は、総務省消防庁「自主防災組織等活性化推進事業」を活用。自衛隊、海上保安庁、警察、消防など9機関とともに自主防災組織の住民、23集落125人が参加。▽パッククッキング講座▽心臓マッサージ等緊急対応訓練▽ペット避難所の設営▽非常通信訓練―など実施。炊き出しによる配食もあった。
市防災アドバイザーの鹿児島大学、井村隆介准教授(地政学)の講演では「自助と共助」をテーマに解説。この日、笠利地区を視察した安田壮平奄美市長は昨年度、市総合計画に基づく「笠利版地域創生戦略」を策定したと報告し、「創生戦略で防災の優先順位は高く、笠利地区に特化した訓練を要望する声があった。今後、各集落に井村先生を招き綿密で詳細な訓練を行いたい」と述べた。
各訓練に参加した和野集落、西田昭仁区長(61)は「和野は台風による高潮が起きやすく、津波よりも河川の増水が心配。奄美空港の拡張で波の高さに変化が出るかなど、今後、井村先生らに確認できれば」と語った。
同公園では自衛隊と警察、消防の連携による、家屋や車両からの救出訓練も展開。航空自衛隊那覇基地所属ヘリコプターによる搬送訓練が行われ、参加者らは、各防災機関による連携活動に理解を深めた。

