辞書の完成を祝った関係者ら(31日、知名町)

刊行された『たんにゃむに辞書』
【沖永良部】知名町田皆字の方言をまとめた『たんにゃむに辞書 第1版』の完成祝いが31日、同町田皆コミュニティーセンターであった。関係者ら約50人が参加。第1版の完成を祝い、次版の刊行に向けて取り組むことを誓った。
辞書の編集は、方言を学ぶために2022年に開設された知名町公民館講座「しまむにサロン」をきっかけにスタート。同字出身の60~90歳代の方言話者9人が委員を務める編集委員会と、同字の方言継承に取り組んでいる「たんにゃむにサークル」が協力し、編集作業を進めてきた。
沖永良部島の方言は、地域によってアクセントや表現に違いがある。辞書には、「あがん(=上がる)」や「あっきん(=開く、空く、歩く)」など、日常で使用する田皆字の方言(たんにゃむに)約1200語を収録し、単語ごとに例文を付けた。巻末に日本語索引もある。A4判、98ページ。
刊行には、国立国語研究所基幹プロジェクト「消滅危機言語の保存研究」や科研費、人間文化研究機構共創促進事業「開かれた人間文化研究を目指した社会共創コミュニケーションの構築」の助成を受けた。
式典は、子どもたちによる「御前風」で幕開け。辞書作りの様子が紹介されたほか、辞書をもとに制作されたAIチャット「AIたんにゃん」について説明があった。
たんにゃむにサークルの田邊ツル子代表(64)は「字の住民が方言に興味を持ち、この辞書を活用してほしい。第2版に向けて協力の輪をさらに広げていきたい」とあいさつ。
国立国語研究所の山田真寛准教授は「島内でも地域によって方言が違うことに驚いた。字の住民たちで辞書を作ったというのは本当に素晴らしいこと。第2版の刊行が楽しみ」と話した。
編集委員の田中和夫さん(93)は「行政や地域を巻き込んだ取り組みのおかげで今日を迎えることができた。第1版が完成して本当にうれしい。田皆字の宝になる」と喜んだ。
辞書は、田皆字全戸に配布する。

