食害の幼虫5町村で確認

食害の幼虫5町村で確認
1例除き家庭菜園のウリ科果実
防除できない場合自粛を セグロ危機

 果実を腐敗・落果させる害虫セグロウリミバエの幼虫は、奄美群島では5町村で6例確認されている。雌の産卵による食害で、1例を除き幼虫は家庭菜園のウリ科果実から確認されており、家庭菜園が発生源となることから、適切な防除ができない場合、関係機関は対象作物の栽培自粛を求めている。

 県経営技術課の8月27日の発表によると、6月以降、幼虫が確認されたのは宇検村、徳之島町、和泊町、知名町、与論町。採取した寄生果は、宇検村が家庭菜園のニガウリ(ゴーヤー)、徳之島町が家庭菜園のアカウリ、和泊町が家庭菜園のカボチャ、知名町が野生寄主植物のオキナワスズメウリ(ウリ科雑草)、唯一2例確認の与論町は家庭菜園のカボチャ、キュウリ、アカウリ。移動規制の「緊急防除」実施の沖縄県でも家庭菜園のウリ科生果実で幼虫の寄生が確認されている。

 家庭菜園について国、県、地元市町村は寄主植物の栽培自粛を要請。地域住民に対し、「家庭菜園など害虫防除(薬剤散布)を行わない園地では、ウリ科野菜等の寄主植物の栽培自粛をお願いしたい」と協力を求めている。

 虫をおびき寄せる誘引剤を置いてのトラップ(わな)により誘殺できているのは雄成虫。雌成虫は誘殺できておらず、関係機関によると、幼虫確認は果実に産卵する雌成虫の存在を示し、「セグロウリミバエの個体の中に雌も混じっている。幼虫の確認は次の世代の誕生」と捉えることができる。

 雌成虫は野外で1か月以上生きるとされ、沖縄県病害虫防除技術センターの資料によると、主にウリ科植物の果実に数個~数十個ずつ産卵する。卵は1~2日でふ化(幼虫)。果肉部を食害しながら成熟した幼虫は、果実から脱出し、土中などでさなぎになる。さなぎは8~19日程度で成虫になり、成虫が産卵できるまでに羽化後8~21日程度かかるとされている。幼虫の確認はこうした発生生態が繰り返され、最も警戒しなければならない「セグロウリミバエの定着」につながる可能性がある。

 関係機関は「ウリ科、ナス科、果実類と寄主植物の範囲が広いのが防除を難しくしている。特にウリ科雑草のオキナワスズメウリは奄美群島の至る所に繁茂しており、たくさんの果実をつける。ハブの危険性がある野山でも見られる。こうしたウリ科雑草は、実を含めて植物ごとに除去・廃棄の協力をお願いしたい」と呼び掛けている。