雨量の少ない干ばつ傾向により貯水率が71・8%まで下がっている須野ダム
サトウキビへの散水ではルールを守っての畑かん施設活用が求められている
奄美市笠利町にある須野ダムの貯水は、東海岸一帯に広がるサトウキビ畑などのかんがい用水として使用されているが、貯水率が71・8%(17日現在)まで下がっている。降雨が少ない干ばつ傾向が続いているためで、ダムに設置された雨量計では10月はわずか15㍉の降雨。キビの生育に影響することから、同ダムを管理する市土地改良区は「散水ルールを守って畑かん施設を有効活用し、しのいでほしい」と呼び掛けている。
県営かんがい排水事業で建設された須野ダム。総貯水量は99万立方㍍で、有効貯水量は95万立方㍍。安定した畑かん用水の確保が図られているが、8月まで90%台だった貯水率は、9月には80%台と1か月で10%も低下。今月1日には78・9%と80%台を切った。
「水が減るペースが上がっている」(土地改良区事務局)のは降雨の少なさによって。3か月間の雨量(須野ダム設定)をみると、8月77㍉(前年同月232㍉)、9月65㍉(同294㍉)、10月は17日現在15㍉(前年同月の1か月間330㍉)。前年に比べ8月で3分の1、9月5分の1程度、10月は現在のところ5%にも達していない。にわか雨程度でまとまった雨が降っておらず、「恵みの雨」が期待された台風23号も2~3㍉にとどまったという。
気象庁の天気予報では、来週の奄美地方は19日の日曜以降曇りや雨の予報で降水確率は60~70%となっている。「まとまった雨を期待したい。ただ干ばつが長期化していることから、土中の水分がない状態。ダム周辺に降雨があったとしても土の表面から中の方に水分が染み込み、通常はある周辺の山からダムまで水の流れ込みが難しいかもしれない」(同)。
須野ダムの受益面積は約340㌶。散水のためのスプリンクラー設置は笠利東部1期地区で進められ、大笠利~用集落間終了後は節田地区(節田・土浜・平集落内)に設置された。同地区の受益面積は約50㌶。夏場の3か月間(7~9月)は受益面積をブロックごとに分け、週1回ずつ輪番制でのローテーション散水を取り入れている。
期間外の10月は実施しておらず、土地改良区では来週の雨量次第で貯水率がさらに下がれば対応が必要か検討する方針。散水量(10㌃あたり1日3㌧を目安に1週間で25㌧)、散水方向の確認(スプリンクラーがサトウキビの方向に散水しているか)、散水時間(朝6時~夜9時まで)といったルールを順守し、整備された畑かんの有効活用を求めている。ダムから水を取る量の取水量は最大1日1万㌧で設定しており、これまでのところ1日あたり1千~5千㌧の間で推移しているという。
なお富国製糖によると、台風による強風や現在のところ干ばつの影響もなくサトウキビの生育は順調で「しっかりと伸びている」としている。

