フルーツアイランド確立事業

「奄美たんかん」のブランド強化に向けてホシノ・アグリ・コミュニケーション研究所代表の星野康人氏による講演があった

品質イメージの要素不可欠
「奄美たんかん」認知度向上へ販売戦略研

 今年度からスタートした「あまみフルーツアイランド確立事業」の三本柱の一つブランド産地確立を目指し、販売戦略研修会が21日から奄美市名瀬の市農業研究センターで始まった。奄美大島で生産されているタンカン(特産果樹)である「奄美たんかん」のブランド強化に向けて商品の品質などイメージできる要素づくりが不可欠との提案があった。

 奄美大島選果場管理運営協議会(会長・大庭勝利奄美市農林水産部長)、JAあまみ大島事業本部生産者部会果樹部会(藤村秀久会長)の主催。質と量の安定へ人材育成の対象となっている重点支援農家や関係団体、JA、県・市町村果樹担当職員など約50人が出席。講師をホシノ・アグリ・コミュニケーション研究所代表の星野康人氏が務めた。新潟県長岡市出身の星野氏は同県庁入りし、農業試験場研究員や普及所職員として勤務後、2005年に同研究所を設立した。奄美大島には何度も訪れており、12年にも「奄美たんかん」の商品コンセプトやネーミングなどマーケティングに関わったが、10年以上が経過していることから改めて講師に招き研修の場を設けることになった。

 星野氏は奄美大島で生産されているタンカンについて「優れた農産物。商品価値が高くもっと多くの人々に知ってほしい。その戦略を考えていきたい」と述べた後、かんきつのブランド戦略について説明。ブランドについて「約束」と定義した星野氏は、消費者のニーズを強くする方法として「イメージ」「知識」「体験」を挙げた上で、▽品質基準に基づく品質保証(品質の裏付けとなるもので一番重要。果実の外観と内容が数値化できる光センサー選果システムを利用)▽地域性や物語の発信(品質特性をイメージさせるバックボーンとなるもの)▽ブランド要素の強化(地域や品種に特化したブランド名が認知度向上と高付加価値化に貢献。「奄美の自然」「人の想い」「商品の品質」をイメージしてもらう要素づくり)▽加工商品の開発▽デジタルマーケティングの活用(ネット販売とネット配信)―の五つの方法を提案した。

 果物の価格は全ての品目で上昇し、特にかんきつは著しく高級化によって贈答用となり、家庭での消費が減少する一因となっている。消費を伸ばす方法としてジュースなどの加工商品づくりがあるが、星野氏は「農産物は1年間作れない。ブランド産地には必ず加工品がある」と指摘し、「タンカンの販売期間は限定しているため、年間を通じて消費することができる加工商品の開発は、認知度向上に極めて有効」と述べた。

 販売戦略研修2日目の22日は同じ会場で午前9時から、商品開発の具体的手法習得へグループワークがある。