徳之島町内で確認されたソテツ害虫「ソテツシロカイガラムシ(CAS)」の被害株の葉部(同町提供)

【徳之島】ソテツの葉や幹に寄生し、吸汁によって枯死させる外来種の害虫「ソテツシロカイガラムシ(通称CAS)」の侵入が、徳之島町北部でも確認された。奄美大島、加計呂麻島、請島、喜界島に続き、25日までに徳之島での初確認となる。観光や文化の象徴でもあるソテツを脅かす事態に、同町内をはじめ島内では危機感が高まりそうだ。
徳之島町(農林水産課)によると、今月上旬までに同町北端の手々地区で3本、中北部の花徳(けどく)地区で10本のソテツに、白い殻状のカイガラムシが付着し、葉が黄変する被害が報告された。その後、南部の亀徳新港沿いでも1本が確認された。
町は3地点計14本をサンプリングした上で、拡大防止のため全て伐倒・処分。検体は県(森づくり推進課)が鹿児島大学に分析を依頼。同大学は手々・花徳両地区の試料を「CAS」と同定した。これにより徳之島への侵入の事実が正式に確認された。亀徳新港の個体は引き続き分析中だが「形状などから見てCASの可能性が高い」と町はみている。
群島内では、これまで6市町村(奄美市・龍郷町・大和村・宇検村・瀬戸内町・喜界町)で計6611本のソテツ被害(森林を含む、6月末現在)が報告されていたが、今回の徳之島町内の確認により被害は7市町村・計6624本(同定中除く)に拡大した。
徳之島町東北端の金見(かなみ)集落には、観光名所「金見ソテツトンネル」(奄美群島国立公園第三種特別地域)がある。約300~350年前に先人が防風・境界目的で植えたソテツ群が、小高い丘の頂上(展望台)まで延長約250㍍にわたってアーチ状のトンネルを形成している。
金見集落の自然保護団体代表の元田浩三さん(71)は「昨年、奄美大島旅行でその被害状況も目撃し、これが徳之島にも来たら大変だと思っていた。金見はソテツ群落が島内でも特に広く、先人たちの命もつないでくれるなど歴史的な宝。公的な駆除や防除を徹底してほしい」と話す。
町は「(CASは)衣服などに付着しても拡散する。県と連携して適切な駆除などの広報と併せ、防除対策なども検討して拡散防止対策を徹底したい」としている。

