約850人が来場した「国際サシバサミット2025in宇検村奄美大島」(25日、宇検村湯湾)
奄美では冬鳥で知られるタカの仲間、サシバの保全を目指す、「国際サシバサミット2025in宇検村奄美大島」(同実行委員会主催)が25日、宇検村総合体育館で開幕した。2日間の日程で、初日は行政や自然保護団体など関係者、一般参加者ら合わせて約850人が来場。日本をはじめ台湾、フィリピン、韓国など国内外での環境保護に向けた最新の取り組みを共有し、サシバと自然の将来を考えた。
サシバは猛禽(もうきん)類の渡り鳥。東北や九州の里山などで繁殖し、秋以降、南西諸島から東南アジアで越冬。近年は里山など生息環境が破壊され個体数が減少し、環境省レッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類に指定。奄美大島は調査で、2000羽以上が越冬する、国内最大の越冬地とされている。
サミットは2019年、繁殖地の栃木県市貝市で開催以降、沖縄県宮古島市、台湾、フィリピンで開かれ、宇検村で5回目。初日は村無形民俗文化財「芦検稲すり踊り」で開幕。岩手大学講師の東淳樹さんと「サシバ愛護会関西~奄美ネットワーク」の与名正三さんが「サシバはなぜ奄美大島を越冬地として選ぶのか?」を演題に基調講演を行った。
与名さんは9月下旬から10月初旬にかけて宇検村、大和村、奄美市名瀬などへ飛来し、10月中旬には、フィリピンへ向かう群れが約1週間、上空を通過すると説明。3月末から4月下旬の渡りが始まるまでの生息状況を伝え、「サシバがすめる自然を守り、後の世代に伝えていくこと」とサミット開催の意義を伝えた。
東さんは与名さんの報告を踏まえ、奄美大島が餌となる小動物がすむ照葉樹林が約7割を占め、「ねぐら」となる沢や谷が多い環境などと指摘。そして、「地域の人々に大事に愛されており、これらが理由で越冬地に選ばれている。いつまでもサシバに愛され、愛する島であってほしい」と呼び掛けた。
海外からは通訳を交えて、保全に向けた課題や取り組みを報告。中継地のフィリピンと台湾からは、再生可能エネルギーの風力発電の設置が渡りのルートへの障害となる可能性が、韓国からは繁殖や渡りの研究について概要などが共有された。
26日は、首長サミットや意見交換、奄美大島5市町村の首長らによる「サミット宣言」が行われる。

