演目「盆山」を笑顔で鑑賞する生徒(20日、東城小中学校)
奄美市住用町の東城小中学校(笠井ユリ子校長、児童15人・生徒7人)で20日、室町時代から700年以上変わらず受け継がれてきた伝統芸能「狂言」を学ぶ芸術鑑賞会があった。近隣の市中学校(木場敏朗校長、生徒1人)の生徒も参加。笑いを通して人間の普遍的なおかしさを描き出す狂言の奥深さに触れた。
NPO法人かごしま子ども芸術センターが主催する「小規模小学校支援事業」の一環。能楽師狂言方大藏流吉次郎会の大藏教義(のりよし)さん(43)と上田圭輔さん(39)が、掛け合いで笑いを誘いながら歴史や成り立ち、狂言の表現方法などを伝えた。
二人は紋付きはかま姿で登場。「狂言は現代のショートコントのような存在。舞台で使われるのは当時の大和言葉。分からないせりふや動きは想像力を働かせて」などと説明し、泥棒を主人がからかう演目「盆山(ぼんさん)」を披露した。
演技冒頭の泥棒が垣根を破って侵入する擬音や動作は、典型的な狂言の表現。子どもたちからくすくすと笑いが漏れた。
家の間取りや状況までも浮かび上がらせる演者の動きを真剣な表情で追い、物語のクライマックスとなる泥棒が動物の鳴きまねをするシーンでは、大きな笑いに包まれた。
魅力を伝える狂言クイズも実施。蚊(カ)や蟹(カニ)の精霊が登場する演目があることや、動物を演じる際の「面(おもて)」を紹介し、舞台装束を持ち込んで着付けも行った。
演技指導では、つま先に体重を乗せ前かがみになる「構工(かまえ)」と呼ばれる基本の立ち方や、せりふの二文字目を強調する独特の発声法などを教えた。
子どもたちは初めて触れる狂言の世界に興味津々(しんしん)。「犬の鳴き方は」(答えはビョウビョウ)、「能との違いは」「背景の松の意味は」―など矢継ぎ早に質問していた。
東城中3年の政蓮(つかさ・れん)さん(15)は「表情とか動きでストーリーが想像でき、知らない大和言葉も理解できた。すごく面白かった」と話した。
鑑賞会は、18日嘉鉄小(瀬戸内町)、19日名音小(大和村)、21日宇宿小(奄美市)でも開催された。

