島唄の魅力をバスで巡る

島唄の魅力をバスで巡る

徳之島を代表する唄者・中島清彦さんの生歌と解説で盛り上がった同島初の「しまうたバスツアー」=6日、伊仙町

中島清彦さんの生ライブ
伊仙町各地を訪ねる初ツアー

【徳之島】徳之島の島唄を現地で味わいながら地域の歴史や風景を訪ねる「中島清彦先生と行く!しまうたバスツアー(伊仙町編)」が6日、伊仙町の犬田布岬を発着点に初めて開催された。町内外から老若男女32人が参加し、同島を代表する唄者の一人・中島清彦さん(73)の生歌と三味線の音色に耳を傾けながら、島に息づく暮らしや伝承に思いをはせた。

ツアーは「徳之島ゲストハウスみち」(同町阿三)の古林香奈代さんが企画し、中島さん主宰「阿権中島三味線教室」、奄美群島認定エコツアーガイドの常加奈子さん(旅友Tokunoshima代表)の協力で実現。古里の唄を現地で体感できる新たな試みとして注目された。

参加者を乗せた大型バスは午前10時に犬田布岬を出発。旧県道を経ての阿権浜、鹿浦、伊仙の天地天降(てんちあもり)=羽衣伝説地、義名山の奄美群島日本復帰運動の父・泉芳朗氏銅像、阿権の前里屋敷、中山寺、八重竿(やえぞう)などを巡る全長33キロ、約5時間のコースを走った。各所では常さんがガイドを務め、文化や歴史を紹介した。

三味線と島唄を担当したのは中島清彦さん(天城町)とハヤシ役の鶴幸子さん(徳之島町)。「島朝花」「全島口説(伊仙抜粋)」「天地天降」など14曲を披露し、曲ごとに込められた背景や伝承を丁寧に解説した。泉芳朗氏の銅像前では「日本復帰の歌」合唱、藩政期の犬田布騒動ゆかりの地では「徳之島節」を歌い上げ、参加者は唄と土地の結びつきを実感した。

中島さんは「同じ島唄でも地域(シマ)によって節回しが違う。徳之島には徳之島の唄があることを知ってほしい」と話した。古林さんは「今後は徳之島町編、天城町編へと広げ、継続開催を目指したい」と意欲を示した。

参加者の一人で、NPO法人役員の美延治郷さん(69)=伊仙町=は「子どもたちには奄美大島や沖縄の唄だけでなく、徳之島にも素朴で素晴らしい島唄があることを知ってほしい。貴重な生物多様性の自然と同じく文化も守ってほしい」と語った。