林倫成さんによる、映像で見る「わが家の客はクロウサギ」
写真展を興味深そうに見入る来場者
【東京】「共存と共生モデルの構築を!」――。天城町は21日、新宿区の新宿御苑インフォメーションセンター2階のレクチャールームで「世界遺産の島の地域づくり」と題したトークイベントを初開催した。映像やパネルディスカッションが行われ、活発な意見交換もされた。
イベントは、環境省沖縄奄美自然環境事務所との共催、天城町で環境教育や芸術体験活動などを行っている「森と海の藝術楽校」が協力した。20日、21日に開催された同町当部(とうべ)集落の民家庭先に現れるアマミノクロウサギをテーマとした写真展「わが家の客はクロウサギin新宿御苑」に合わせたもの。
出身者や奄美ファンら約50人が参加した。第一部は同藝術楽校の林倫成さんによる、映像で見る「わが家の客はクロウサギ」。当部集落に現れることから「トウベノクロウサギ」としたアマミノクロウサギの体重やドングリを食べるなど普通のウサギとの比較を説明。「巣穴から出てくると30分ぐらいは眠そうにしている」などユーモアを交えて伝えた。一方で、食物への被害やロードキルなどの課題も指摘。「共存という言葉を知ってほしい」と締めくくった。
第二部はパネルディスカッション。同町企画財政課主任の吉野琢哉さんが「クロウサギの里・当部の挑戦」と話題を提供。同藝術楽校主宰・のせたかこさんが「穏やかに人情あふれる生活」と移住して9年の徳之島の魅力を紹介しながら、トークを展開。一般社団法人離島総合研究所・代表理事の上田嘉通さんは「人口減少が激しい島だからこそ、できるものもあるはず」と話した。ほか、大正大学地域構想研究所准教授・岩浅有記さん、環境省地域政策課地域循環共生圏室長・植竹朋子さんらが、それぞれの立場から発言した。「東京にいて地域に関わる方法は」との質問には「訪れた際は、できるだけ長く滞在すること。主体性は島だと意識してほしい」と応じていた。町からは児童生徒を対象にした、世界自然遺産を学習する「あまぎ学」の取り組みが紹介された。
友人の誘いで首都圏から参加した天城町出身の同級生(貴島えり子さん、稲村美保子さん=60歳代)は、興味深そうに写真展に。「地元ではクロウサギを見たこともなく、今ほど話題になっていなかった。楽しみです」とイベントに臨んだ。冒頭で「きゅーがめーら」とあいさつした森田弘光町長は「職員には、地域の未来像を可視化してほしいと話している。今日の意見を共存共生の実現に生かしたい」と笑顔だった。

