管理者で奄美市議の帶屋さん(左)と与倉代表(中央)ら家族とバードピアに登録された長浜農園で
奄美市住用町山間にある果樹園「長浜農園」(与倉桂子代表)はこのほど、野鳥たちにとって生息しやすい場所や環境を提供する「バードピア」に奄美群島で初めて登録された。果樹園単体の登録は全国でも初めてで、管理する帶屋誠二さん(58)は「奄美の野鳥を全国にPRするための第一歩になれば」と話してる。
登録は9月10日付。バードピアは鳥と楽園(ユートピア)を組み合わせた造語で、人の生活や生産活動に利用する場所を、鳥たちが生息しやすい環境として整備し、管理する場所。日本鳥類保護連盟が認定し、8月25日現在で全国計286件が登録。県内は長島町に次ぎ2件目となる。
発端は2年前。同連盟の研究員で奄美観光大使を務める知人の樋口公平氏に、島にいる野鳥の価値を島民や観光客にアピールするために登録してはと薦められて準備を始めた。2024年10月以降は研究員が現地を4回訪れ、生息する鳥の種類やや園の土壌、周辺の生態系などを調査。園周辺ではサシバやハヤブサなどの渡り鳥を含め21種類の鳥が確認され、野鳥が快適に過ごせる果樹園として認められた。
通常、果樹園では栽培するタンカンの木にネットを張ったりし果実の保護に努めているが、同園では鳥たちが食べていいように一部の木を開放。エサを目当てに多くの鳥たちがやってくるという。
奄美では、国天然記念物のルリカケスやオーストンオオアカゲラをはじめ6種類の固有種が確認されている。登録後はすでに2組のバードウォッチャー(観光客)が果樹園を訪れ、観察を楽しんだという。
「奄美は街中などの身近な場所でも鳥が見られる貴重な島」と帶屋さん。「登録地になれば島外から多くの愛好家らが何度も足を運んでくれる。新たな観光資源としてPRするきっかけになれば」と話す。
調査にあたった研究員からは、▽野鳥に配慮した農園のアピール▽水場の造成▽巣箱掛け―といった提案も助言されている。

