3年ぶり墓参に105歳感涙

墓前に手を合わせる栄さんを見守るさばくり隊のメンバー(27日、奄美市笠利町用安)

 

 

 

「夢のような時間だった」
笠利さばくり隊、今年の納め

 

 

 

 奄美市笠利町の笠利国保診療所の職員らを中心としたボランティアグループ「笠利さばくり隊」(橋口真征隊長、約40人)は27日、今年の〝さばくり(世話)納め〟をした。「墓参り支援」では、105歳女性を高台にある墓所まで運び、3年ぶりの墓参りを実現させた。

 さばくり隊は、同診療所を利用する高齢者の「困り事」の声をきっかけに2021年に発足。年3回の活動を基本に、移動手段を持たない人の「買い物ツアー」、高齢者世帯の庭の整備など、悩み事に寄り添う活動を続けている。

 この日の墓参り支援依頼は2件。用安集落の小高い丘の上にある墓所には、同集落に住む栄千鶴枝さん=105歳=を伴った。傾斜が急な坂道を車いすを押して上がり、最後は4人がかりで抱えて墓まで運んだ。

 墓前に手を合わせた栄さんは、「お父さん、こんな大勢に迷惑かけてしまったよ」と、泣きじゃくるように両手で顔を覆った。

 奄美市名瀬に住む娘の榊美穂子さん(79)によると、100歳まで趣味のグラウンドゴルフを楽しんでいたという。現在は一人暮らし。外出に車いすが必要だが、食事も入浴も問題ないほど元気だという。

 お経を唱え墓参を終えた栄さんは、一人一人の手を握り「皆さんのおかげでお父さんの墓参りができ感謝します」と頭を下げた。車に乗り込むと、「夢のような時間だった」と笑顔を見せた。

 支援を終えた橋口隊長(45)、看護師の橋口恵里さん(43)、事務長の中林正也さん(47)、理学療法士の里見慎也さん(41)は、同町里集落の86歳男性宅に移動、「畑復活作戦」に約1時間汗を流した。

 その後、龍郷町の大型商業施設に出向いた「買い物ツアー」(10人利用)と合流、2025年のさばくり納めとした。

 橋口隊長は「さばくり活動を知っているのは、訪問診療やリハビリなどで関わる人がほとんど。町の人口約5500人の3分の1に過ぎない。この活動をもっと多くに人に知ってもらいたい」と話した。