奄美野鳥の会発足以来、元日の恒例行事となって初日の出探鳥会。天候により開催が危ぶまれたが、17種類の海鳥などが観察された
大瀬海岸で越冬している「キョウジョシギ」。オレンジ色の足が鮮やか
NPO法人奄美野鳥の会(永井弓子会長)の元日恒例行事、初日の出探鳥会が奄美市笠利町の大瀬海岸であった。正面には朝日が昇る方向の喜界島がうっすら見えたものの、厚い雲に覆われて初日は拝めなかったが、越冬するシギ・チドリ類など17種類を観察。参加者は海鳥の渡りで貴重な中継地となっている同海岸の役割を改めて認識していた。
同会発行の『奄美の野鳥図鑑』によると、大瀬海岸は群島最大の渡り鳥の中継地で、四季を通じてさまざまな鳥に出会うことができる。干潟が広いのが特徴。大潮の干潮時は潮が引きすぎて遠く、満潮時は干潟がなくなるので観察には不適という。
前日、大みそかの夜は風雨があり、新年最初のこの日も天候は回復せず。開催が危ぶまれたが、会員ら約20人の参加があり、予定通り日の出前の午前7時にスタートした。「海岸で上空を舞うと、干潟のシギやチドリ、カモなどが一斉に飛び立つ」とされるハヤブサの登場で、観察当初は低調。それでも2時間近くかけて干潟内のほか岩場などでノゴマ、カワウ、メダイチドリ、キョウジョシギ、ハマシギ、アオサギ、ハクセキレイ、ダイサギ、ミサゴ、黒色と白色のクロサギなどを観察した。
案内役を務めた同会理事の高美喜男さん(74)は「初日を見れず残念だったが、これまで3年間はずっと見ることができた」とした上で、大瀬海岸について「春と秋の渡りの時期だけでなく、夏、冬と一年中観察でき、とても大事な場所。奄美空港に近いことから最初に案内する。海鳥は観察しやすく初心者にも適している」と説明。シギ・チドリ類などが越冬後は、東南アジアなどに南下するが「いろんな鳥が観察できるのは、ここ(大瀬海岸)が、餌が豊富で休息できる場となっているため。ゴカイなどの底生動物が生息している」と高さんは語った。

