現役大学生での公認会計士試験合格を喜ぶ平江大雅さん(2025年12月30日、奄美市名瀬で)
奄美市名瀬の県立大島高校出身で、専修大商学部4年生の平江大雅(たいが)さん(22)が監査と会計のスペシャリストとして企業の公正な経済活動を支える公認会計士の2024年度試験に合格を果たした。大学の学業と公認会計士になるための予備校での勉強を両立させ、最終合格率が全体で7・4%という超難関を現役の大学3年生で突破。中学生の頃から興味を持っていた公認会計士の夢実現に向けて大きく前進した。現在は東京の監査法人で非常勤のインターンとして3年間の実務研修を入っており、順調にいけば29年中にも公認会計士として登録される見通しで、第一線での活躍が期待されている。
平江さんは奄美市立の朝日小から朝日中を経て、22年3月に県立大島高校を卒業し、専修大商学部会計学科に進学した。「中学2年生の頃、塾の先生に『数学が得意で、数字に強いから向いている』と言われ、公認会計士に興味を持った」。これが公認会計士を目指すスタートだった。大島高在学中には独学で日商簿記(2級)の資格を取得した。
公認会計士試験は監査業務を行うための唯一の国家資格で、医師や弁護士と並ぶ三大国家資格の一つ。財務会計論や管理会計論、監査論、企業法の短答式試験(年2回、マークシート方式)があり、これに合格すると、会計学や租税法、経営学などの論文式試験(年1回、記述式)を受験できる2段階で構成される。合格には3000~6000時間の学習が必要とされる。
平江さんは大学入学後、学業とともに、公認会計士試験の予備校に通う「ダブルスクール」の生活を送った。大学の公認会計士試験研究会サークル「計修会」にも所属し、仲間と研さんを積んだ。
大学2年の23年5月、短答式試験に初挑戦したが、直前の模試も結果が悪く、案の定不合格。「それまでの暗記ベースから理解ベースに勉強の方法を変えた」。その年の12月に短答式試験に合格し、同大商学部長奨励賞を受賞した。
その後、少し気の緩みも出たが、模試の結果を反省し気持ちを切り替えた。論文式試験に向けて「直前の5~7月はこれまでで一番勉強した。自分にとっての山場だった」と振り返る。そして24年8月に行われた論文式試験では一発で合格を果たし、同大商学部長賞に輝いた。
合格の報を最初に伝えたのが母の睦美さん(51)だった。「(ダブルスクールなど経済的にも)苦労をかけた。やはり母の支えが一番だった。環境をそろえてくれてありがとうと言いたい」。そんな感謝の気持ちを込めたかったからだ。
金融庁の公認会計士・監査審査会(松井隆幸会長)から贈られた合格証書を手に、「早稲田や慶応ほど高学歴ではないが、しっかり努力すれば難関の国家資格にも合格できる。向上心が一番ではないか」。勝ち取った自信と達成感を誇らしげに語った。
合格後は、日本公認会計士協会が実施する補習を受け、3年間の実務経験を積むことが義務付けられている。補習を終え、修了考査に合格すると、晴れて公認会計士として登録され、監査業務に携わることができる。
今春には大学も卒業し、実務補修、修了考査に全力投球する。「公認会計士は第三者的立場で財務諸表を保証する監査が主業務だが、企業の経営上の意思決定にも寄り添えるような公認会計士になりたい」と今後の意気込みを披露した。
大雅さんを温かく見守ってきた祖父母の平江照道さん(83)、八代美さん(74)夫妻=奄美市笠利町在住=は「(合格まで)10年ぐらいはかかると思っていたので、在学中に合格したことを褒めてあげたい。監査のエキスパートとして社会に貢献してくれることを願っている」と祝福している。

