奄美大島タンカン最終果実分析

奄美大島タンカンの最終果実分析により品質面は持ち直し糖度の上昇が確認された

平均糖度10度以上と上昇 年明け以降の寒で品質持ち直し
鳥害心配せず「色乗り確認し収穫を」

 JAあまみ大島事業本部は、奄美大島内から提供されたタンカン果実の品質分析を行っている。今月の最終調査の結果、平均糖度は10度以上まで上昇、前年度(2024年度)を上回った。平均クエン酸も前年度より高い。年明け以降、寒が入り冷え込みが続いていることから昨年までの低糖低酸傾向から持ち直し、収穫までの品質がさらに上向くとみられている。

 2月の収穫期を前に品質状況の確認を目的とした果実品質分析(サンプル調査)は毎年10月から月1回実施。管内市町村の生産農家から提供された果実のサイズ、糖度、クエン酸を測定している。最終調査は今月9日、奄美市名瀬朝戸にある奄美大島選果場であった。

 奄美大島全体で生産者50人が140園地の果実を提供。分析結果によると、平均果実横径は73・7㍉と前年度と同程度、21~23年度と比較しても大きい傾向にあり、「肥大は順調」という。平均糖度は、昨年12月分析では9・5度と10度台に届かなかったが、10・4度となり、前年度より0・5度高かった。だが、23年度より0・9度、21、22年度より1・0度低い。平均クエン酸は1・08%で、前年度より0・12高かった。23年度より0・13低いものの、21、22年度と同程度。

 この結果について奄美市奄美大島選果場管理運営協議会のフルーツブランド確立推進員・熊本修さんは「全体的に糖度はやや低い傾向にあるが、クエン酸は前年度より0・1以上高く、21、22年度と同程度であるため、前年度のような低糖低酸にはならないと思われる」と考察。ただし個別の数値をみると園によるばらつきが見られ、糖度がすでに11・5度以上の園やクエン酸がまだ1・2%以上の園もある一方、糖度が10度未満の園やクエン酸がすでに0・8%を下回っている園も見られるという。

 高温の影響が指摘された気象面に関して熊本さんは「11月からは気温が低下し、12月に一時的に高くなったものの、その後は平年より約1・5度低く推移。現在は順調に糖度が蓄積し、極端なクエン酸低下を妨げている」として、これから収穫まで約20日~1か月以上(園地がある下場〈平場〉、上場〈山場〉によって収穫適期に違い)あることから「糖度は順調に上昇するものと思われる」としている。

 品質分析結果について同事業本部奄美市果樹部会の前山大輝会長は「品質は前年度より断然いい。平均ラインの状況から光センサー(奄美大島選果場にあり品質保証を可能とする機器)を通り、前年度のような心配はない」と受け止める一方、指摘するのが果実の色乗り。「緑が抜ける脱色は12月上旬だったが、11月末で暖かく寒の入りが遅かった関係でタンカン特有の紅乗りがやや悪い。青取りはせず色が乗ってから収穫を。今年は昨年のような収穫期のヒヨドリなどの鳥害も現在のところ心配ないだけに、慌てることなく着色を含めた品質重視で収穫してほしい」と呼び掛ける。着果状態も良好で「表年」と判断できるという。

 なお、大島事業本部は25年度「奄美たんかん」出荷販売対策会議を15日から開く。開催日程は次の通り。

 15日午前10時~宇検村(活性化センター結いの館)、午後1時半~瀬戸内町(JA瀬戸内支所2階)▽19日午前10時~奄美市(市農業研究センター)▽20日午前9時半~龍郷町(りゅうがく館)、午後1時半~大和村(村防災センター)

「内容品質、色乗り仕上げ段階」
JA大島事業本部

 JAあまみ大島事業本部は、2025年度産タンカンの生産状況をまとめた。内容品質、果実外観の色乗りとも「仕上げ段階に入っている」としており、60㌧以上の共販を計画している。

 同本部果樹技術指導員の大山綱治さんは「現在仕上げ段階、熟成時期だが、このところ昼間は日射に恵まれ、朝晩は冷え込みで寒暖差の大きさが品質を向上させている。昨年12月までの状況から持ち直している」と指摘する。

 生産状況によると、収穫後の発芽期からの低温の影響を受け開花期が1週間程度の遅れとなったものの、着花、着果は良好。梅雨時期は短く、初期育成の遅れと高温による日焼けが懸念されたが、影響は少なかったという。台風など大きな気象災害はなく、生育は順調で推移した。果実品質は、10~11月中旬の気温が高い傾向に推移したため、減酸が早まり低い傾向にあったが、11月下旬からの低温で減酸も落ち着き。「果皮退色、着色は気温の低下とともに順調に推移した」としている。

 収穫期については、下場は1月最終週から始まり、2月第1週末をめどに終了を計画。上場地区は、2月第1週をめどに収穫が始まり2月末をめどに収穫終了を予定する。選果は、品質保証が可能な光センサー利用(奄美大島選果場内)を呼び掛けている。

 今月9日果実品質分析結果の市町村地区別平均値は次の通り。(①糖度②クエン酸)

 名瀬①10・5度②1・33%▽笠利①10・9度②1・08%▽住用①9・9度②0・94%▽龍郷①10・4度②1・06%▽宇検①10・6度②0・97%▽大和①10・1度②1・26%▽瀬戸内①10・5度②0・91%