住民約50人が参加した自衛隊港湾施設整備計画の住民説明会(18日、きゅら島交流館)
防衛省は瀬戸内町古仁屋湾(須手地区)で進める自衛隊港湾施設整備と自衛隊海上輸送群の海上輸送隊を新編する計画について18日、同町きゅら島交流館で住民説明会を行った。南西諸島の防衛力強化に要する海上輸送・補給拠点の意義を説明。住民からは計画に理解を示す意見とともに、施設が標的となる武力攻撃の可能性を問う声もあった。
説明会に地元住民約50人が参加。防衛省は九州防衛局の担当者、海上輸送群の隊員ら、瀬戸内町は鎌田愛人町長ら町職員が出席した。
防衛省は須手地区での輸送・補給基盤、港湾施設の整備に向けて、2023年度予算で適地調査に6億円を計上し、同年11月に着手。25年度は実施設計に約2億円を計上しており、同局の北野純一企画部次長は「奄美大島は地理的にも後方支援、警戒監視に適した位置にある」と説明した。
港湾施設は須手二本松公園がある県有地東西の海面を埋め立てて岸壁を整備。東側(約2・9㌶)に燃料タンク2基、鉄筋コンクリート8階建て隊庁舎、物資集積場約3000平方㍍を設置。西側(約0・7㌶)にも物資の集積場を設け、施設の完成は32年度末を計画する。
海上輸送群は25年3月、島嶼防衛に要する輸送力強化を目的に広島県呉市に創設された自衛隊の共同部隊。26年度末、同町古仁屋の海上自衛隊奄美基地分遣隊の敷地に海上輸送隊1個部隊(隊員約20人、輸送艇1隻)を配置し、27年度に輸送艇3隻を追加。部隊は港湾施設完成後に移動予定。
質疑応答では、抑止力を担う安全保障環境の整備として理解を示す住民がいる一方、相手国から武力攻撃を受けた際の島外避難、食料や物資の備蓄などシーレーン(海上交通路)の確保を懸念する意見があった。
閉会時、鎌田町長は質疑に答える形で会長を務める「奄美大島国民保護連絡調整協議会」の取り組みについて「防衛力強化と合わせて、国民を守ることは自治体の責任」として、防衛省、自衛隊と連携を図ると言及した。
今後、同省による説明会の予定はないが、須手集落の堀純一区長(64)は「少子化で人口が増えることは良いことだが、約70人の集落で(住民となる)自衛官が居住した時、新たな対応が必要となる。機密保持は承知しているが、集落で検討の上、説明会の再実施を要望したい」と話した。
説明会で用いた防衛省の資料は町ホームページに掲載。質疑の内容も更新予定とした。

