衆院選 期日前投票も異例

衆院選 期日前投票も異例

解散から投開票日まで異例の短期決戦の衆院選は期日前投票も異例となっている(28日、市役所8階選挙管理委員会に設けられた名瀬地区投票所)

入場券届かず 確認書類必要、国民審査1日から
投票者「経済政策優先を」
奄美市初日 前回半分以下

解散から投開票まで戦後最短の16日間と異例の衆院選は、公示を受けて28日から始まった期日前投票も異例となっている。奄美群島自治体の各選挙管理委員会では投票入場券(はがき)の発送が間に合わず、入場券がなくても本人を証明する書類があれば投票できることを周知。また最高裁裁判官国民審査は1日からしかできず、期日前投票所ではその説明も行っている。

入場券の発送(郵送)は、奄美市選管は30日以降に行うが、他町村選管は27日以降随時、29日頃から順次など分かれる。入場券がなくても投票できることについて自治体のホームページで案内するとともに、各集落や世帯へ防災行政無線で放送しているところもある。

入場券がなくても投票できるか問い合わせが寄せられている奄美市選管では、証明書で確認できることを伝えている。本人確認書類(いずれか1点で可能)として▽マイナンバーカード(個人番号カード)▽運転免許証・運転経歴証明書▽パスポート(2020年2月3日以前申請の所持人記入欄があるもの)▽在留カード・特別永住者証明書▽官公庁発行の顔写真付き身分証明書(離島割引カード)・福祉手帳、顔写真なしの書類(いずれか2点必要)としては▽健康保険証、資格確認書▽住民票の写し、印鑑登録証明書▽年金手帳、年金証書―がある。期日前投票所ではこうした書類を提出して示すとともに、宣誓書への記入も必要。

期日前投票初日の午前中、市役所8階選管に設けられた投票所来場者はまばら。名瀬大熊地区の会社員男性(56)は「入場券が自宅に届いていないことから選管に問い合わせたところ、届くのは週末頃ということだった。入場券がなくても期日前投票ができるとの説明で駆け付けた。比例代表の投票にあたっては、もし立憲民主党や公明党と書いたらどうなるかなど明確な説明がほしい」と語り、投票判断について「短期決戦すぎて判断材料が乏しい。何よりも経済対策。物価高は生活に影響しており、経済対策を優先してもらいたい」と求めた。

九州ブロックの比例代表には11の政党が届け出たが、新たな政党は立民と公明の合流で誕生した「中道改革連合(中道)」。公職選挙法68条には「届け出のない政党名や略称を記載したものは無効」と定められており、今回の選挙で立憲民主党や公明党の名称で届け出ている政党はなく、無効票となる可能性がある。

同様に期日前投票で来場した浦上地区在住の会社役員男性(45)は「(入場券がない中での投票手続きは)苦にはならなかったが、ネットで投票できる仕組みになれば便利なのにと思う。各政党が掲げている消費税減税は、ぜひ実現してもらいたい。『政治とカネ』の問題はそれほど気にしておらず、もっと政治を前に進めて国民の暮らしが良くなるよう景気対策の具体化を」と語った。

投票を案内する選管職員は国民審査に関する説明も必要となっている。衆院選の期日前投票は、公選法が公示翌日から開始できると定める一方、最高裁裁判官国民審査法は公示が解散翌日から4日以内だと、審査の期日前投票は投票日の「7日前から行う」と規定している。このため今回は2月1日からとなり、衆院選と合わせて1回で済ませるためには1日以降に投票しなければならない。

期日前投票期間は、衆院選は28日から2月7日までだが、国民審査は2月1日から7日まで。奄美市の投票所では選管職員が「国民審査は1日からです」と説明していた。

なお、奄美市の期日前投票時間は投票所によって異なる。名瀬地区は午前8時半~午後8時まで、住用・笠利地区は2時間前倒しされ午後6時まで。初日の投票者数は名瀬126人(男59人、女67人)、住用7人(男4人、女3人)、笠利10人(男4人、女6人)の計143人。前回(24年10月)衆院選の初日は名瀬244人(男125人、女119人)、住用7人(男4人、女3人)、笠利53人(男29人、女24人)の計304人。今回は161人も下回り、半分にも届かなかった。選管事務局は「入場券が届いていない影響に加えて国民審査が1日からということもあるのではないか」としている。