世界自然遺産地域連絡会議(29日、沖縄県竹富町の中野わいわいホール)
世界自然遺産地域の適正な管理の在り方を検討する「2025年度奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産地域連絡会議」(環境省など主催)が29日、沖縄県の竹富島会場であった。奄美群島12市町村の首長を含む関係者約100人が出席。19年から運用している10年間のモニタリング計画を中間評価し、改定した。会議に出席した安田壮平奄美市長は、アマミノクロウサギの交通事故防止を目的に速度抑制システム「ミリ波レーダー」を26年度に導入すると明らかにした。
会議は遺産地域の保全管理を目的に16年に設置。四つの地域部会(奄美大島・徳之島・沖縄島北部・西表島)を設けており、全体会議は年1~2回開催される。
地域別中間評価では、奄美大島・徳之島の希少生物の交通事故発生状況を「悪化傾向」と評価。徳之島は、シロアゴガエルの侵入状況についても同様の評価となった。
部会報告では、奄美大島部会から野生生物の持ち出しや違法トラップ等への対応、徳之島部会からシロアゴガエルの防除状況が示された。
安田市長は、沖縄県や徳之島町が昨年秋頃から実証実験を始めた「ミリ波レーダー」(自動運転技術を応用し、運転手に速度超過をパトランプで知らせる装置)の効果について質問し、同市でも26年度から導入すると明らかにした。
また、昨年5月に 発生した中国人によるオカヤドカリ3種の密猟事件にも触れ、「売れば1匹2万円、最大1億円といわれる。犯人は略式命令で30万円の罰金刑に過ぎなかった」と発言、「専門家に権限を持たせるなどの対策を講じられないか」と環境省に見解を求めた。
同省の担当者は「ヤドカリは文化財保護法の管理下。種の保存法とは罰則規定が異なる。法改定も検討されており、沖縄県での事例も検討し、両県での情報共有を図っていく」と答えた。
瀬戸内町は外来植物駆除の進捗(しんちょく)状況、天城町はクロウサギとの共生プロジェクトなどを報告した。
環境省は、遺産登録5周年記念事業として、7月に沖縄県那覇市で記念シンポジウムを予定。鹿児島・沖縄両県は記念イベントを予定している。26年度の連絡会議は、徳之島で開かれる。

