島唄など伝統と創作文化が融合させた多彩なステージで魅了した「ほこらしゃ奄美音楽祭in徳之島」=1月31日、徳之島町文化会館
【徳之島】奄美群島の島唄など郷土芸能と創作演劇などを融合させた「ほこらしゃ奄美音楽祭in徳之島」(同実行委員会主催)が31日夜、徳之島町文化会館で開かれた。奄美群島や沖縄県から計9組約160人が出演し、約600人の観客を魅了した。世界自然遺産の島から奄美文化の多彩で奥深い魅力を発信した。
「ほこらしゃ」は島口(方言)で「素晴らしい・うれしい・誇らしい」などを意味する。同音楽祭は、世界自然遺産に登録された奄美の独自文化である島唄を広く伝えようと、県や地元自治体などでつくる実行委員会が主催している。2022年度から昨年度までは奄美大島で開催されてきたが、今年度は徳之島で初めて行われた。前売り券はSNS告知後すぐに完売するなど注目を集めた。
第1部「奄美オールスターズ部門」は、結成19年の奄美大島の「奄美オーケストラ」が歌劇「カルメン」第1幕への前奏曲を演奏し開幕。喜界島の東郷晶子さんや沖永良部島のバンシローズ一行がオリジナルポップスを披露したほか、与論島の十五夜踊り保存会による「三者囃子」、徳之島の小中高生が出演する島口ミュージカル「結シアター手舞」など多彩な演目が続いた。
青年団員ら伊仙町西伊仙東棒踊り保存会による伝統芸能の棒踊りでは、竹が砕ける迫力ある演舞が会場を沸かせた。また沖縄エイサーと徳之島の郷土芸能、闘牛文化を融合させた「徳之島闘牛太鼓」の豪快なステージも観客を楽しませた。
第2部「正調島唄部門」では、沖永良部島・知名町の前田博美さんと孫の綾子さんが「いちゃき節」などを披露。徳之島・夕凪会の「井之川朝花」に続き、母親が天城町出身の歌手・城南海さんと唄者前山慎吾さんが奄美オーケストラの演奏で新曲「きょら島~美しい島」や「よいすら節」を伸びやかに歌い上げて大いに魅了した。
沖縄県からは〝自然遺産の兄弟島〟西表島のシンガーソングライター池田卓さんも招かれ、八重山民謡やデビュー曲「島の人よ」で故郷の島への思いを熱くつづった。
フィナーレでは出演者と来場者が「六調」を総踊りし、会場全体が一体感に包まれた。
観客の一人となっていた塩田康一県知事は「自然保護だけでなく奄美の豊かな文化を次世代へ継承することが重要。伝統と創作が融合した『新たな文化の創造』を感じた」と語った。来場した徳之島町の60代女性は「奄美群島それぞれの文化を一度に楽しめて感動した。改めて誇りを感じた」と話した。

