林道「山クビリ線」の運用状況などを協議した「徳之島利用適正化連絡会議」=4日、天城町役場
【徳之島】世界自然遺産地域の利用適正化を協議する2025年度「徳之島利用適正化連絡会議」(県主催)が4日、天城町役場で開かれた。徳之島町北部の林道「山クビリ線」(延長約12㌔)の利用ルール再周知や、限定配布している開錠キーの更新方針なども確認した。
会議には環境省や県、島内3町、関係集落・団体代表ら約20人が出席。県自然保護課奄美世界自然遺産室の浅井勝志室長は、世界自然遺産登録5周年(7月)を迎える節目の年にあたり、災害復旧工事で昨年11月に全線開通した山クビリ線の経緯や現状を共有し、「保全と利用の両立を図るため協力を」と呼び掛けた。
山クビリ線は2019年7月から鉄柵の入口ゲートを施錠し、一般利用には認定エコツアーガイドの同行(有料)を義務付けた。運用開始後の効果として、希少種アマミノクロウサギの交通事故死は開始前1年間の4件から開始後4年間(1月25日現在)で1件に減少したとして環境省は「一定の事故防止効果が得られている」との認識を強調した。
町当局は復旧工事を経て昨年11月1日に全線再開通したことから、4月をめどに関係集落へチラシを配布し、利用ルールの周知を進める方針。防犯と適正利用の観点から不適切利用があったゲート鍵の交換も進める。
その他意見交換では、山(さん)集落住民が「ゲート設置で『入ってはいけない場所』との誤解が広がっている」と指摘。「展望台」と親しまれた植樹桜の花見交流の場ともなっていた同地周辺の除草管理など作業ガイドラインの明確化も要望。環境省側は「下草刈りは調整可能だが、樹木伐採には許認可が必要な場合も。事前のコミュニケーションで柔軟に対応したい」とした。
ほか、山クビリ線ルートの「天城岳」登山を巡り、自然保護ルールと「信仰登山」の自由をどう両立させるかが課題との意見も出された。
会議では「地域生活とのバランスを取りながら、世界遺産の価値を守り、地域の誇りとなる取り組みを進めていきたい」との意見で締めくくられた。

