奄美のサテライトキャンパスについて解説する井戸学長
【鹿児島】鹿児島大学(井戸章雄学長)は「TSUMUGU AMAMIキャンパス」の名称で、奄美にサテライトキャンパスを設置する構想を6日の定例記者発表で明らかにした。26年度から予算がついて準備をはじめ、2年後の28年度からの本格稼働を目指す。「地域に住み、本物の地域を知って学ぶ」(井戸学長)をコンセプトに、大学と地域で協力して新たな地方創生の取り組みを始める。
4年制大学、短期大学のない奄美群島は「島立ち」という言葉があるように、進学・就職を契機に島を離れる若者が多く、20代前後の若者が極端に少ない現状がある。世界自然遺産に登録された奄美群島は、同大学の約150人の研究者が奄美をテーマに研究活動に従事しており、国内外の研究者も多く訪れる地域。奄美にサテライトキャンパスを設置し、実際に奄美に中長期で滞在する研究者や学生を増やして、地方創生を目指す。
同大学では、これまでも教育学部が離島教育、医学部が離島医療の実習期間を設けてきた。今後はサテライトキャンパスを拠点とし、3か月から半年の中長期間の滞在で、「実際に住んでいる人たちの顔が見える実習」(井戸学長)を目指す。医療、教育の分野にとどまらず、少子高齢化、過疎化などの社会問題について、複数の学部で連携して課題解決に取り組む体制を構築する。
「奄美群島共創連携推進センター」が中心になって準備を進めており、現在は本学のある郡元に設置してあるセンターを、奄美市名瀬にある分室に移す予定。多くの学生・研究者の長期滞在が可能になるよう、産・官・学だけでなく、金融機関、メディアとも連携し、共同キャンパスプラットフォームの設置を目指す。いずれは鹿大の学生だけでなく、県内、大都市圏の他大学の学生も、ともに奄美キャンパスで学べるようにすることで「地方都市の価値を生み出し、地方の豊かさを見直して、新たな地方活性化につなげていきたい」と話していた。

