市議会で新年度の施政方針を述べる安田壮平市長
奄美市議会は18日、本会議を開き、安田壮平市長が2026年度の施政方針演説を行った。安田市長は、冒頭「アフターコロナに移行し、社会経済が徐々に活発化していく中で、かごしま国体相撲競技や奄美群島日本復帰70周年記念式典など全国規模の大会や行事が開催され、あらゆる世代によって大きなエネルギーが生み出された。さまざまな分野で若い世代が躍動するなど、さらなる成長や繁栄に向けた芽生えや兆しがたくさんあった」と1期目を振り返り、2期目に懸ける思いを「この芽生えや兆しを確かな成長と持続的な繁栄につなげることが使命」などと述べた。
新年度の予算編成については、国の動向を踏まえ引き続き「未来の奄美市づくり計画」や「奄美市未来づくり総合戦略2025」及び自身のマニフェストの推進を図り〝しあわせの島〟実現を見据えた予算編成を行ったとし、基本方針として①市民の生活満足度向上②成長の源泉となる元気な地域活動③次世代への〝しまの誇り〟の継承―も実現を掲げた。
市民の生活満足度向上の実現に向けては、子育て世代へのさらなる支援策として、子どもの成長を見守り安心して就学を迎えられるよう「5歳児健診」を導入し、専門機関と連携した支援体制を強化。また、母子保健・児童福祉の機能を連携させる「こども家庭センター」を新設し、切れ目ない支援体制を整備していく。保育・教育施設との連携による円滑な制度運用に努め「こども誰でも通園制度」をスタートするとともに、開園する住用・笠利の両こども園の充実した幼児教育と保育に取り組む。事業者に対しては、「保育事業者支援コンサルタント業務」を導入し、保育施設における働きやすさと働きがいを高める支援を強化する。
災害対応やあらゆる有事に備えた体制の強化を図るため、新たに防災や危機管理に関する経験や知識を有する「地域防災マネージャー」の任用に向け取り組む。また、おがみ山公園に展望台を整備するほか、都市公園についてはトイレ更新事業により、誰もが安全安心で快適に利用できる公園づくりを進めるとともに、計画的な遊具など更新を促進する。
成長の源泉となる元気な経済活動の実現では、新たに「観光需要喚起特別対策支援事業」を実施し、宿泊費の割引により利用者の負担を軽減し、閑散期の需要を促進することで地域経済の安定化を図る。健康体験交流施設(旧タラソ奄美の龍宮)については、民間の活力を生かすPPP手法を導入し、持続可能な観光拠点としての魅力を高めるため、施設リニューアルに向けた取り組みを推進する。また、 奄美大島5市町村及び関係団体と連携し、「第3次観光戦略」の策定に取り組むほか、土盛海岸の周辺環境整備やマングローブパークの施設リニューアルを実施する。
農業振興では、「食と農の総合戦略」を踏まえ、民間と連携し、地場産農林水産物の消費拡大や食育・食文化の継承など、地域資源を生かした取り組みを展開する。また、トップセールスによる特産品の情報発信と、全国の郷友会や奄美ふるさと100人応援団との連携を強化するとともに、奄美黒糖焼酎など特産品の国内外への販路拡大に取り組む。
次世代への「しまの誇り」の継承実現については、住用町内小学校及び中学校の統合を円滑に推進するため「住用地区学校統合準備委員会」を設置。地域に根差したふるさと教育の推進として「あまみっ子ふるさと学習」事業を展開するとともに、地域と連携した学校行事や郷土教育の充実を通して、子どもたちの豊かな心や郷土を愛する心の育成を図る。小学校給食費を無償化するとともに、中学校給食費についても、市独自の取り組みとして無償化を実施する。
新たに「高校探究力向上プロジェクト」を実施し、高校生と民間企業の共創による新商品の開発に向けた取り組みを推進する。「共同キャンパス」の推進として、大学などと奄美大島関係自治体との連携により、推進協議会やプラットフォームの設置に向けて取り組む。
安田市長は「未来を切り拓く原動力は〝人〟であり、そして課題に真正面から向き合う情熱であると確信している」とし、「市民一人一人やみんなの幸せを実現し、次の世代へ誇れる奄美市を引き継ぐため、自らが先頭に立ち職員とともに、市民と力を合わせ、情熱をもって全身全霊で取り組む」と締めくくった。
同日の本会議では、新年度予算関連議案や条例改正案など27議案が提案された。一般質問は3月3~6日の4日間で、18人が登壇する。

