赤土流出防止へ連携強化

赤土流出防止へ連携強化

農地の法面保護植生など営農対策の状況を巡視する参加者=18日、伊仙町喜念

実効性ある取り組み再確認
徳之島で合同パト・検討会

【徳之島】徳之島地域土砂流出防止対策連絡協議会(会長・平石征志県徳之島事務所長)は18日、2025年度土砂流出防止合同パトロールと検討会を伊仙町内で実施した。行政や関係団体が現地を巡視し、赤土流出防止に向けた課題や今後の連携強化について活発な意見を交わした。

県・町行政や建設業協会、漁協、JAなど関係機関・団体の代表ら約20人が参加。伊仙町内の個人営農地2か所を巡視し、シャリンバイ(車輪梅)やセンネンボク(千年木)類の植生による法面(のりめん)保護の状況や、ドローンを活用したほ場の傾斜把握の試行事例などを確認。その後、同町役場で検討会を開いた。

冒頭あいさつで平石会長は、民間や個人による農地造成や開発行為など流出要因が多様化している現状に触れ、線状降水帯による集中豪雨が頻発する中で「場所や状況に応じた柔軟な対応が求められている」と強調。「世界自然遺産の島にふさわしい美しい海と自然を、次代の子どもたちに引き継いでいこう」と協力を呼び掛けた。

協議では建設業協会側から、今回の巡視が個人所有の畑に偏っているとして、県が関与する公共事業箇所も含めた確認や指導の必要性が指摘された。特に大雨時に沈砂池などの土砂流出防止施設が実際に機能しているか、現地で検証する重要性も共有した。

また、道路側溝や排水路などインフラの構造的課題も浮上。側溝容量の不足や土砂の堆積(たいせき)により、大雨時にあふれて路肩崩壊や海への赤土流出を招く事例が多発しているとして、行政による抜本的な改修と予算措置を求める声も上がった。

数年ぶり出席の漁協側からは、赤土に加え、大雨時には無対策の牛舎から家畜糞(ふん)尿が側溝を通じて海へ流出している実態も指摘。関係機関・団体が横断的に連携した対策の必要性が課題として挙げられた。

大雨時の耕土(赤土)流出については「農家自身が貴重な土という財産を守る意識を持つことが不可欠」とし、パンフレット配布や集落単位の説明会、学校教育を通じた啓発活動の継続が提案された。

久々に熱のこもった協議が展開され、赤土流出防止に向けた実効性ある取り組みの重要性を再確認する機会となった。