笠利の歴史を次世代に

笠利の歴史を次世代に

子どもたちに歩み寄り、歴史の面白さを語り掛ける原口泉教授(26日、奄美市笠利町の赤木名中学校)

赤木名中で原口氏が講演
道の島古道協

奄美市笠利町に残る歴史遺産を次世代に継承する活動を行っている任意団体、道の島古道協議会(高井直人会長、会員12人)は26日、赤木名中学校(肥後孝幸校長、生徒112人)で「奄美の歴史講演会」を開いた。地域住民を含む200人以上が参加。江戸時代、薩摩藩の直轄地として政治・経済の中心地となった赤木名集落の成り立ちや、点在する遺跡・城跡・古戦場跡などから読み解く人々の暮らしや文化に思いをはせた。

笠利町は、国指定史跡の赤木名城跡(中世の城郭)や宇宿貝塚(縄文~中世の複合遺跡)など歴史遺産の宝庫と言われるエリア。同協議会はこれらを「笠利の歴史遺産」と位置づけ、学校教育に生かすことを活動の柱の一つとしている。

歴史講演会は、2025年3月の団体設立以来の悲願。鹿児島を代表する歴史学者で、大河ドラマ「篤姫」や「西郷(せご)どん」の時代考証を担当した志學館大学の原口泉教授(79)を招へいした。

日本近世・近代史が専門の原口教授。薩摩藩史や幕末維新史に深い知識を持ち、〝熱く情熱的に語り掛ける〟講義スタイルそのままに、中学生の間近で語り続けた。

話は、古代~中世~現代まで多岐にわたった。江戸時代に触れた一説では、笠利半島を中心とした古地図を示し、自然の良港となる条件などを解説、「大島統治方針」(黒糖専売などの植民地政策)の条文などにも言及した。

約1時間半、熱弁をふるい続けた原口教授。生徒に向かい、「AIに古文書の解読はできない。AIが書いた文書にも価値はない。現地の古老から聞き取った内容こそ歴史学の重要なデータ」と繰り返し訴えた。

1年の三井樹羅亜(きらり)さん(13)は「笠利にかかわるさまざまな歴史を知ることができた。小学生の時、(中金久の)菅原神社を調べる機会があり、ゆかりの菅原道真についても調べた。歴史はつながっていると感じた」と話した。

同協議会の伊集院晋(すすむ)事務局長(70)は「歴史に触れ、足跡をたどる面白さを感じてほしい。子どもたちが島を旅立つ前に、伝えたいことがたくさんある」と話した。