県議会本会議 26年度当初予算可決

物価高対策、奄美・沖縄連携も
ドクターヘリ安全対策も

県議会3月定例会は25日本会議があり、総額9207億2400万円の2026年度一般会計当初予算案など予算関連12議案、条例改正・制定29議案などを可決した。当初予算では引き続き農林水産業や観光関連産業などの「稼ぐ力」の向上や人材確保・育成、物価高対策などのほか、奄美関係は世界自然遺産5周年シンポジウム開催、沖縄との経済面の交流促進も盛り込んでいる。

当初予算に関しては付託された予算特別委員会の藤崎剛委員長が審議内容を報告。緊急支援事業のうち収入保険加入促進については既存の農業共済制度との違い、加入促進目的の質疑があった。当局からは、▽農業共済制度は自然災害で起きる作物の収穫減少損失を補てんする制度で、対象品目は14品目に限定。収入保険制度は青色申告を行っている農業者の全ての農産物を対象に、自然災害や価格低下だけでなく、けがや病気など農業者の経営努力だけでは避けられないさまざまなリスクによる収入減少を補てん▽県の事業は昨今の資材価格の影響に加え、昨年8月の大雨や台風12号など激甚化する災害の被害により収益性が悪化し保険料の負担が増している農業者に対し、保険料の一部を補助することで収入保険への新規加入、継続加入促進を目的にしている―との答弁があったとした。委員からは「リスクを支える制度として広く浸透すれば将来の担い手確保の一助となることが期待される。(支援事業を)単年度で終わらせることなく、稼ぐ農業に必要な支援は何か引き続き検討を」との要望があったという。

救急医療確保対策事業のうちドクターヘリ関連4事業に関する質疑を報告。①徳之島、沖永良部島、与論島の救急患者を沖縄県のドクターヘリを使用して搬送する場合の負担金②ドクターヘリ事業主体の鹿児島市立病院に対し運航経費の補助③奄美ドクターヘリの効率的な運用を図るための医療機関との協議及び調整に関する経費④県のドクターヘリが海上に不時着した場合などに備え、搭乗する医師や看護師に対して脱出方法の知識や技術を習得するための訓練に必要な負担金―として合計約4億800万円を計上しているとの答弁があったとした。委員からの要望は「離島を有する本県においてドクターヘリは非常に重要。引き続き安定的な運航取り組みを」という内容。

本会議でも討論が交わされるなど反対意見が出たインバウンド(訪日外国人)向けの九州新幹線の片道運賃補助(2億7700万円)は、戦略的市場(米国、シンガポール、タイ、ベトナム)からの外国人観光客を増やしたいとの観点から実施。県内に少なくても1泊することを条件に実証するもので、外国人観光客2万人の利用を見込み、県内での観光消費額約17億円を推計。「観光関連産業の稼ぐ力の向上に寄与するものと考えている」との答弁があったとした。事業を利用して来訪した観光客には海外の旅行予約サイトを通じて福岡経由を選んだ理由や九州新幹線移動に関する感想に加え、旅行先として鹿児島を選んだ理由や旅行を通じて感じた鹿児島の魅力についてアンケートを実施。結果は今後のより効果的なインバウンド誘客促進に活用していく方針。委員からは「今回の事業効果を多方面から見極め、今後の誘客に生かしてほしい」との要望があったとした。

なお、当初予算に計上された奄美関係事業のうち新規の奄美・沖縄経済交流事業は、奄美群島産品の輸出促進のため、沖縄の輸出商社を招いたセミナー開催や、毎年秋に沖縄県で開催される日本有数の商談会「沖縄大交易会」へ出展する費用などを助成。世界自然遺産登録5周年は、誘客キャンペーンや記念シンポを開催。奄美と沖縄の遺産地域4島(奄美大島・徳之島・沖縄島・西表島)の子どもたちを対象に自然体験型交流学習を実施して、自然環境の保全や自然利用の普及啓発を行う。