国指定重要文化財の答申を受けた「琉球国王朱印状 たらつゐはん充 嘉靖33年」=宇検村教育委員会提供=
国の文化審議会(島谷弘幸会長)は26日、宇検村の指定有形文化財「琉球王朝辞令古文書」を「琉球国王朱印状」の名称で、重要文化財(美術工芸品)に指定するよう松本洋平文部科学大臣に答申した。官報告示を経て正式に決定されるが、古文書(こもんじょ)としては県内で2件目、奄美群島からは初の登録となる。
答申された「琉球国王朱印状」は、古琉球期の琉球・第二尚氏時代にあたる1554(嘉靖33)年から83(万歴11)年、琉球王国(朱里王府)が発給し、宇検村名柄の吉久家に伝来した、役人を任職する辞令4通と神女(ノロ)の継承者を指名する辞令1通の計5通の公文書。「御朱印」「御印判」と呼ばれる国王の朱方印が捺された朱印状は、薩摩侵攻(1609年)以前のものはこれまで29通が確認されている。
吉久家の朱印状は、奄美地域に宛てられたものでは最も多い枚数がまとまり、保存状態も極めて良好。古琉球の地方役人の履歴を跡付けられる点、古文書学、琉球史研究上の価値の高さ、奄美群島が琉球王国の統治下にあったことを具体的に示す重要文書として評価された。
村教育委員会によると、奄美群島に関連する古文書・朱印状は14通確認されており、うち10通が奄美大島内で管理。宇検村では6通のうち、今回の5通を同村名柄の吉久家で所有。1982年に村指定有形文化財に登録、2025年3月から寄託されている。
役人辞令にあたる4通は、大和村名音と宇検村名柄の「掟(おきて)」、瀬戸内町阿木名と宇検村崎原の「目差(めざし)」など人事異動の役職が記され、3親等内の世襲が慣例だったノロに関する辞令1通は、姪に継ぐ内容が記されているという。
国指定の答申を受け、所有する同村名柄の吉久ひでさん(78)は「(先代から受け継いで)40年近く管理し、毎年正月に虫干しを兼ね伝統儀式に使用してきたが、より多くの方がご覧になる機会になれば」と話した。
村野巳代治教育長は「村の宝が評価され大変うれしく思う。子どもたちが歴史の事実を知る史料として、次世代に継承したい」とコメントを出した。
6月以降、同村「元気の出る館」で展示を予定している。

