台風6号 土砂災害など厳重警戒

台風6号が最接近したものの、風雨は落ち着いた奄美市名瀬の大熊漁港(6日午後3時半頃)

大気不安定、大雨恐れも
北部は9日まで暴風域か

台風6号は6日午後3時現在、奄美市の南東約70㌔にあり、奄美地方を暴風域に巻き込みながらゆっくりとした速さで東に進んでいる。6日は風雨が落ち着いていたものの、南部は8日午後、北部は9日まで暴風域は続く見込み。大気の状態が非常に不安定で、7日にかけては線状降水帯が発生し大雨になる可能性もある。名瀬測候所は土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重な警戒を呼び掛けている。

6日は南部・北部ともに最接近したが、各地で日中の風雨や波は比較的収まった。与論町では午前6時29分に最大瞬間風速29・3㍍の風を観測。奄美市名瀬では午後4時半までの24時間に109㍉の降水量を確認した。

奄美地方では6日午後5時現在、暴風波浪警報、大雨(土砂災害)雷高潮注意報が発表中で、暴風波浪警報は9日まで継続する可能性が高い。喜界町と与論町では警戒レベル3(高齢者等避難)、その他の10市町村では警戒レベル4(避難指示)も発令している。

各自治体によると、6日は家屋の損壊やけが人、土砂災害などの新たな被害報告はなかった(調査中あり)。九州電力によると、奄美市笠利町では一時、約1990戸が停電した。

台風6号は6日午後3時現在、中心気圧は970ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は30㍍で、最大瞬間風速は40㍍。全域220㌔以内が風速25㍍以上の暴風域、全域390㌔以内が風速15㍍以上の強風域となっている。

7日は、勢力を維持したまま奄美大島の周辺海域を東に進み、進路を北寄りに変えながら、8日にかけて北上するとみられる。

7日に予想される最大風速(最大瞬間風速)は、南部・北部ともに25㍍(同35㍍)で、波の高さは南部6㍍、北部7㍍。7日午後6時までに予想される24時間降水量は、いずれも多い所で250㍉となっている。

名瀬測候所によると、9日にかけては暴風や非常に強い風が吹き、うねりを伴った大しけになる見込み。土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫への厳重警戒のほか、うねりを伴う高波、暴風への警戒を呼び掛けている。